アーユルヴェーダと千島学説から考える血液の大切さ 〜血液が健康なら細胞組織も健康になる〜

千島学説の血液がまずありきという考え方はアーユルヴェーダと同じです。血液が健康なら、それ以降につくられる細胞組織(ダートゥ)も健康になるということです。

 

こんにちは。アーユルヴェーダスクール ジヴァ・ジャパン代表のアーユルヴェディック・ヘルスカウンセラー文分です。

当校の生徒さん達は知識欲が旺盛で、研究熱心なので、生徒さん達からいろいろな情報をもらうことがあります。最近、生徒さんから教えてもらった興味深いことは「千島学説」です。

千島学説とは、千島喜久男博士という生物学者が提唱した生体に関する学説です。あまりにも従来の西洋科学とかけ離れた考え方なので、科学的・医学的にはほとんど認められていない学説だとか。ところがここに来て、千島学説が一部の医者や学者の間で注目されているというのです。

 

千島学説の8原理

千島学説は次の8原理から成り立っています。

第1原理赤血球分化説(赤血球は様々な体細胞が分化する母体である)
第2原理赤血球と各種細胞や組織との間の可逆的分化説(栄養不足や大量出血後などの病的状態のときは、体組織の細胞から赤血球への分化が見られる)
第3原理バクテリア(細菌)やウイルスの自然発生説(バクテリア・ウイルスなど病原体は、親がいなくとも有機物の腐敗の状態から、その有機物を母体として自然に発生する)
第4原理細胞新生説(細胞は段階を踏んだ細胞分裂によって増殖するのではなく、5つの形態で新生する)
第5原理腸造血説(造血器官は小腸絨毛である)
第6原理遺伝学の盲点(獲得形質は遺伝し、生殖細胞は血球に由来する)
第7原理進化論の盲点(生物進化の最も重要な要因は、環境に適応した強い生物が生き残るという「適者生存」ではなく、同じ種類あるいは違った種類の生物の助け合いという共生現象である)
第8原理科学研究の方法論としての心身一如の生命弁証法(当該人の用いる独自の弁証法(生命弁証法)は、唯物弁証法と唯心弁証法を止揚し統一したものである)

 

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ダートゥ理論と似ている千島学説

アーユルヴェーダの観点から興味深いのは、第1原理、第2原理、第5原理です。第1原理は「赤血球は様々な体細胞が分化する母体である」、つまり赤血球が体細胞に変化するという説です。

アーユルヴェーダにはダートゥという理論があります。体の細胞組織をアーユルヴェーダでは「ダートゥ」と呼び、7種類のダートゥがあると考えられています。そして、この7つのダートゥがつくられる順番が決まっていると考えられています。

アーユルヴェーダによると、食べた物からまず最初に血液の血漿部分(赤血球、白血球、血小板を除いた液体部分)がつくられ、2番目に赤血球がつくられます。3番目から筋肉、脂肪、骨、骨髄、生殖組織がこの順番でつくられるというのがアーユルヴェーダの理論です。千島学説と似ています。

第2原理も似た部分があります。千島学説では、栄養不足や大量出血後などの病的状態のときは、体組織の細胞から赤血球へ逆戻りすると説かれています。アーユルヴェーダでは、どれかの組織に栄養が足りないとき、前の組織から栄養を奪うと考えています。たとえば、3番目につくられる筋肉組織に栄養が足りない時、2番目の血液(赤血球)組織から栄養をもらってくるのです。筋肉組織が赤血球に逆戻りするとは言っていませんが、栄養不足の場合の関係についての考え方が似ています。

第5原理も興味は尽きません。現代科学では血液は骨髄でつくられると考えられていて、これが定説になっています。しかしアーユルヴェーダのダートゥ理論によると、骨髄がつくられるのは6番目。血液の成分の血漿と赤血球は真っ先につくられると考えているのですから、現在科学の骨髄造血説と合い入れないことになります。

私は現代科学とアーユルヴェーダの造血説の差に違和感を感じていました。食べた物は消化され、小腸に送られます。そこから栄養素は血液のなかに入って体中に運ばれます。小腸で赤血球がつくられるという千島学説は必ずしも間違いではないかもしれません。アーユルヴェーダのダートゥ理論に似ているような気がします。

 

血液浄化の大切さ

千島学説の真偽のほどはわかりませんが、血液がまずありきという考え方はアーユルヴェーダと同じです。血液が健康なら、それ以降につくられる細胞組織(ダートゥ)も健康になるということです。病気になった場合、血液を浄化しなければなりません。特にガンには血液浄化が大切です。ジヴァ・アーユルヴェーダのドクター・パルタップは「ガンに罹ったとわかったら、その日から血液を浄化しなさい」と言っています。浄化する方法として、次の3つの摂取を勧めています。

• アムラパウダー
• アロエベラ
• 小麦若葉

ダートゥの素となる食べ物については、どのドーシャが増悪しているかによって食べるべきものが違っています。しかし、血液浄化の必要性については、どのドーシャが増悪しているかに関係なく、ガンに罹った人は必ずしなければならないことです。

千島学説という荒唐無稽と思われている説は、実は生体について大事なことを示唆しているのかもしれません。

 

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