アーユルヴェーダが問う「私はだれ?」

「自分はだれなのか?」はアーユルヴェーダの重要なキーフレーズです。アーユルヴェーダは「自分を知るためのシステム」という言われ方もします。
アーユルヴェーダが問う「私はだれ?」

こんにちは、アーユルヴェーダスクール ジヴァ・ジャパンを主宰しているアーユルヴェディック・ヘルスカウンセラーの文分千恵です。

20代だった頃、友人が興奮ぎみにこう言いました。
「昨日の夜、憧れのAさんと高級ホテルのレストランに食事にいったのよぉ。雰囲気が最高で、Aさんと二人きりの食事で、『私はだれ? ここはどこ?』って感じだったわよぉぉ」

あまりのうれしさに「これは夢ではないのか。私はプリンセス?」と思ったのでしょうね。うれしさで舞い上がったときに「私はだれ?  ここはどこ?」という気持ちになるのはわかる気がします。

 

私はどういう人?

アーユルヴェーダもよく「私はだれ?」という問いを発します。著名なアーユルヴェーダ医師でありジヴァ・アーユルヴェーダのダイレクターであるドクター・パルタップ・チョハンはよく問いかけます。

「私はだれなのか?(Who am I?) どこから来て、どこに行くのか?」そして「自分とはどういう人間なのかを知らねばならない」とも言います。

「自分はだれなのか?」はアーユルヴェーダの重要なキーフレーズです。アーユルヴェーダは「自分を知るためのシステム」という言われ方もします。

 

体のタイプから見た私

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アーユルヴェーダを学び始めた頃、私はこの問いの意味がピンときませんでした。この場合の「私はだれ?」は、憧れの人から食事に誘われて舞い上がったときに感じる「私はだれ? ここはどこ?」とは少し違うようです。いまは、この問いの意味は一つではないと感じています。

一つは「自分の体のタイプは何なのか」という意味です。つまり生まれたときに決定づけられる体質「プラクリティ」は何なのかという意味です。

自分のプラクリティがヴァータ体質なのか、ピッタ体質なのか、カファ体質なのか、あるいはその複合なのか。それを知ることによって、健康を維持するための食事やライフスタイルがわかります。自分のプラクリティを知らなければ、自分に適さない食事やライフスタイルを選択するリスクを冒すことになります。

先日、ヴァータのデパートのようにヴァータ性不調をズラリと持った方がヘルスカウンセリングにいらっしゃいました。これ以上わかりやすい事例はないというほど典型的にヴァータが増悪していました。もともとの体質もヴァータ体質のようでした。食事のアドバイスでキャベツ類(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー)は食べ過ぎないようにとアドバイスしました。

するとその方は「エーッ!」というのです。「キャベツが好きで、キャベツの炒めものをいつも食べてます」とおっしゃいました。キャベツ自体はとてもよい野菜なのですが、元々がヴァータ体質の人、あるいはヴァータが増悪しているときにパサパサしたキャベツをたくさん食べると一層ヴァータを乱します。炒め物にしてもキャベツのパサパサ感はなくなりません。

自分のプラクリティを知らずに好みだけに頼った食事を続けると、ドーシャのバランスが崩れて病気になる可能性が高まるのです。

 

心のタイプから見た私

「私はだれ?」の問いには心のタイプも含まれます。

たとえばストレスに強い人と弱い人がいます。心が脆弱ぎみでストレスに弱い人は、胃腸が弱かったり、腰痛になりやすかったり、不安感を強く感じたり、不眠になりやすかったりします。体のタイプがヴァータ体質で、心の質がラジャス、またはタマスに傾斜している人はこういう不調に罹りやすくなります。

あるいは無闇に嫉妬深かったり、イライラしやすい心のタイプの人もいることでしょう。なぜそんなにイライラしやすいのか自分でもわかりません。体のタイプがピッタ体質で、心の質がラジャス、またはタマスに傾斜している人は、イライラ、怒り、嫉妬といった感情が湧きやすくなります。

自分の体のタイプと心のタイプを知っていれば、それへの対処法もわかってきます。心を強くする方策もとれるのです。そうすれば自分の心に苦しめられることもなくなるでしょう。

 

ヴェーダ哲学からみた私

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そして「私はだれ?」はヴェーダ哲学の本質的な問いでもあります。

「私とは肉体でしょうか」という本質的な問いです。哲学的な「私はだれ?」の問いに対しては「私は魂です」が答えです。

「私は魂」であることを知ることがアーユルヴェーダとヨガの目指すところです。これを感じることはむずかしいことです。「私は魂」を感じるためには一生かかるかもしれないし、一生かかっても実感できないかもしれません。

でも、実感はできなくても、自分の本質は魂であって、肉体ではないということを知るだけでも、人生に対する取り組み方がグッとアーユルヴェディックになります。人生では多くの問題に直面します。

そんなとき、「私は魂」という秘密を知っていれば、へこんだり、イライラしたり、怒りに押し潰されることなく問題に取り組むことができるようになるでしょう。

アーユルヴェーダの「私はだれ?」は複層の問いだと思っています。

ご自分の体のタイプや心のタイプを知りたい方はアーユルヴェディックカウンセリングを受けてみませんか。お問い合わせ先は info@jivajapan.jpです。

ジヴァ・ジャパンHP:
http://www.jivajapan.jp/school

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