簡単本格糠床講座シリーズ 5 ☆糠床をする容器について

糠漬けは糠床から出したら、出来たら1~2日の内に食べたいものです。

☆糠床をする容器の大きさは?

糠床をやろう! と思い立って、さて具体的に色々と道具を調達する場面になって一番悩むのが「容器」。
糠の調達もどこでやろうか迷うのですが、容器というのは後々の混ぜ方、出来上がりの量、管理場所、全てにおいて関係してくるので、非常に重要な要素です。

ネット等で検索すると色んな容器が現状出ていますし、選びだしたらキリがない、というような状況です。
当店で定期的に行っている糠床講座では、プラスチック製のどこにでもある「小さいタッパー」で作って頂いて、持って帰って頂いております。
それでずっと美味しい糠漬けを楽しまれている方も多数おられます。

大きさは2リットルタッパーなので、糠床という面で言えば最小の部類に入るかと思います。
実は容器の大小でメリット、デメリットというのはハッキリとあります。
ここではその両方を書いていきたいと思います。

 

☆容器の大小のメリット、デメリット

大きな容器というのは、当然のことながら「一度に沢山の糠漬けが出来る」
これが一番だと思います。
それと、糠漬けを作っている、管理している、という気持ち的なところも満足出来ると思います。
管理の点で言えば、このシリーズの②で書かせて頂きましたが、大きな容器で混ぜる場合は、難しく考えずに混ぜてもそれなりに乳酸菌が増えてくれます。

人間の心理的特性、肉体的特性と言いますか、乳酸菌が増えるに適した混ぜ方というのを、大きな容器でする場合は、人間はそのように自然に行います。
なので、混ぜ方による失敗、というは発生しにくく、むしろ「毎日良く混ぜる」という感覚の方が妥当であったりします。
混ぜ方の方法をとやかく言うより、単純に「毎日良く混ぜる」とするのが最もです。

しかし、忙しく自宅不在時間が多い現代人では、仕事の関係で毎日混ぜるのが困難になったり、何より置き場所が困ります。
都会の狭い家屋事情やマンションだったりすると部屋に置き場所がなく、ベランダもずっと日陰だったり、日向だったり極端な環境、というのが多いと思います。

 

☆現代人には余り向かない大きな容器

前途したように、大きな容器は一度に沢山の糠漬けが出来るのですが、現代のように核家族化が進んでいる昨今では、糠漬けを家族で食べる、という習慣が無い場合、沢山漬ければ当然余ってきます。
糠漬けは糠床から出したら、出来たら1~2日の内に食べたいものです。

生きた発酵食品ですので、空気に触れるとそこからまた違う菌が生成され、味、香り共にドンドン変わっていきます。
だからといって、野菜を糠床に入れっぱなしにしておくと、今度は漬かりすぎてしまい、最終的には取り忘れ、という事に繋がっていきます。

糠床の中にそれなりの量の野菜を長期に渡って入れて置くのは、オススメできません。
糠床の負担になって、見方にもよるのですが、糠床が疲弊したような格好になってきます。
水分の多い野菜を長期入れた場合、どんどん水分が出て、気付いたら糠床が水浸し、という状況もあり得ます。

もちろん、前途したように、家族が多く、皆糠漬けが好きで毎日漬けないと間に合わない、というようなご家庭は、大きな容器で作られる事をオススメしますが、そうでない場合、冷蔵庫に入るような小さいタッパーで作られるのをオススメします。

 

[大きな容器糠床まとめ]

◎メリット
混ぜ方による失敗が少ない
一度に沢山の糠漬けが出来る
野菜の入れすぎによる失敗が少ない

◎デメリット
沢山出来すぎる
置き場所の問題(環境、温度)
混ぜる力と労力が多い

次回は小さい容器で作るメリット、デメリットを書かせて頂きます。

 

井上漬物店HP
https://www.inoue-tsukemono.com/

 

《井上 昌則 さんの記事一覧はコチラ》
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