インフルエンザの意外な語源と江戸時代の変わった対処方法

空気が乾燥してくると気になるのが「インフルエンザ」。毎年のように新型インフルエンザなどが話題となりますが、実は「インフルエンザの歴史はかなり古い」ものです。

【女性の名前がついたインフルエンザ】

当時はインフルエンザや風邪などが流行すると、その時の「著名人や流行したもの」を名前として採用していました。

たとえば、現代でも名前が残る大火事を引き起こした「八百屋お七」の名前をつけた「お七風邪」などという具合です。そんな中で、インフルエンザだと思われる風邪には「お染風邪」という名称がつけられました。

これは、当時流行しており、現代でも残る歌舞伎や浄瑠璃の演目「お染久松」に登場するお染から名前をとったものでした。

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【インフルエンザ避けの「久松留守」】

そんなお染風邪を寄せ付けないために、当時の江戸っ子が考え出したおまじないが「久松留守」というもの。

これは「久松留守」もしくは「久松るす」などと書いた紙を家の入り口に貼り付けておくというものであり、いわゆる「魔除けのお札」のような役割がありました。

現代の私たちが見ると、久松さんという人が出かけているのかな?と思ってしまいますが、実際には「この家にはお染さんの大好きな久松さんはいませんよ。だから、入ってこないでくださいね」という、お染風邪を防御するための手法だったわけです。

あまりにもしゃれっ気が効いているので、当時の人たちも本気でお染風邪、すなわちインフルエンザを避けられるとは思っていなかったのではないかという説もありますが、現在までこの風習が残っているということを考えると、もしかしたら、洒落半分本気半分といった感じだったのかもしれません。

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【インフルエンザの予防には基本と湿度が大切】

もちろん、現在ではこのようなお札を貼ったところで、インフルエンザを予防することはできません。

前もって予防接種を受けておくか、もしくは基本的な対策である「手洗い」「うがい」「マスク」を徹底し、乾燥から喉や鼻を守るために「水分補給と保湿」をしっかりしておく必要があるでしょう。

ちなみに保湿の目安としてはインフルエンザの生存期間は湿度が「40%以下」であり、人間が快適に感じる湿度が「40%~60%」ということですので、部屋の湿度計をおいて常に「50%前後を保つ」ように調節することも大切です。

忙しい年末をインフルエンザにかかってしまって台無しにしないためにも、今のうちからしっかりと出来る対策をしておきましょう。

予防

The etymology of the influenza?
Influenza prevention of the Edo period.