富裕層が数年で倍増しているインド。その秘密は数学、それともカースト制度?

インドの人口は日本とは比較にならないほど多いわけですから、才能を持っている人材も多く、そこに前述したような独自の数学的教育が加わるわけですから、「優秀な人材が豊富なのも当然」です。

【多くの超富裕層が誕生しているインド】

インドといえば、古い歴史を持ち、「仏教や、ヨガなどといったスピリチュアルな思想の生まれた国」でもあります。その文化は奥深く、「インドを旅するだけで生まれ変わった」という人がいるほど。このような文化を持つことから、素朴で神秘的な国というイメージが強いですが、近年では「資産が4億円以上ある超富裕層が30万人を突破」し、世界でも「トップ5に入る」ほど発展してきているのです。

これだけ急成長をしている理由としては、「起業家が台頭してきたことが最有力」といわれています。特に「IT分野での発達はめざましいもの」です。昨年のIT業界の富豪世界ランキングには、インドのウィプロ社というITサービス企業の創業者である「アジム・プレムジ」氏が「11位」にランクインしています。ちなみに、彼の総資産はその時点で「2兆3000億円以上」という莫大なものです。さらに、「15位」には、HCLグループの創業者である「シブ・ナダール」氏がランクインしています。ちなみに、日本人では、楽天の創業者である「三木谷浩史」氏が、「19位」にランクインしており、総資産は1兆8000億円となっています。

 

【今後もIT業界の発展が見込まれる】

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このように、IT業界では世界的に見てもどんどんと「頭角を現してきているインド」ですが、最近、2008年に「世界富豪ランクの8位にランクイン」したこともある、インドナンバー1の資産家である「ムケシュ・アンバニ」氏が、「2兆円を投じて10億人が無料で使うことの出来る通信サービスを提供した」ことが話題となりました。この通信サービスは、インド国内の80%強を網羅し、年内は無料で利用可能、それ以降も月額300円程度で使えるという格安のものとなっています。

なぜ、このようなサービスを開始したのかというと、前述したようにIT業界で頭角を現してはいるものの、インドでインターネットを利用できるのは、「成人でも5人に1人」程度、公衆無線LANのようなサービスはほとんど存在しておらず、高速なインターネット回線を使えるのは「都市部でも一部だけ」という状況でした。しかし、このサービスがはじまることで、「地方や貧困層でもスマートフォンを通して高速なインターネットを利用することが可能」となるのです。

 

【柔軟な発想を生み出すインド式数学】

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こうした試みが進むことで、よりIT業界は発展していくことは確実ですが、それを支えているのは、「インド式数学」ではないかという説があります。インドは「0」という概念を発明した国だといわれています。いつ頃から使われていたのかは定かではありませんが、今から「1400年以上前には使われていた形跡が残っており、思想ができたのは紀元前200年頃ではないか」とされています。

今では世界中で使われている0ですが、その起源を発見しただけのことはあり、インドでは数学も独自の発展を遂げています。その計算方式は「独特でありながらも効率的」で、最近では日本でも「インド式数学」として話題となっています。

インド式数学とは、「20×20や99×99」といった私たち日本人ならば紙に書いて計算するようなものを、「数秒で暗算可能」など、とても「効率的なもの」です。このように表現すると、暗記力に優れているというイメージがあるかもしれません。実際に、かけ算を学ぶために日本のように9×9までではなく、20×20までは暗記するそうですが、それ以上は「独自の手法で計算している」のです。

その方法は、特定の法則に乗っ取った独特なものであり、暗記したものをベースにすることで、複雑な計算でも素早く出来るようになっています。このような柔軟な発想はまさに、0を産んだ国ならではであり、幼い頃から単なる暗記だけでなく、「柔軟な発想をベースにした数学を学んでいる」からこそ、IT業界で世界に通用するレベルとなっているというのも納得できます