梅雨の風物詩「紫陽花」。実は幸運を招き魔を退ける力があるって知ってました?

自らの手で作った紫陽花のドライフラワーは、とても良いお守りとなると思いますので、庭に紫陽花が生えているという方は、梅雨があけたタイミングで是非チャレンジしてみてくださいね。

【梅雨の風物詩といえば紫陽花】

ジメジメとした日が続く「梅雨」。雨が続いて気分も憂鬱になりがちですが、そんな中で、一服の清涼剤となってくれるのが「紫陽花」。美しい色合いの花が雨で濡れている姿は、「私たちの心を癒してくれる存在」です。

そんな紫陽花ですが、その語源は「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい」だといわれています。このことからもわかるように、紫陽花は「日本原産」であり、古くから私たちの目を楽しませてくれていました。しかしながら、現在、一般的に見ることの出来る紫陽花は、「西洋で改良されたもの」。日本原産である「ガクアジサイ」が西洋に輸出され、そこで品種改良されたことで、丸い形になり、色も「紫や白、ピンク」などが登場しました。

 

【なぜ、「紫陽花」と書くの?】

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「紫」は品種改良されるまでなかったのに、「なぜ紫陽花という漢字なの?」と思う方もいるかもしれませんが、実はこの字は「本来は別の花を意味していました」。しかしながら、平安時代の学者が、この字をアジサイに当てはめたことで定着し、「1000年以上たった現代でも使われ続けている」のです。おそらく「紫の陽の花」という文字の美しさに、紫陽花の姿がぴったり当てはまったからなのでしょう。

ちなみに、「美しい花にはトゲがある」という言葉があるように、美しい紫陽花は「毒をもって」います。毒の正体ははっきりとわかっていないのですが、「花や葉に毒が含まれている」のです。間違って食べてしまうと「中毒」を起こし、「嘔吐やめまい」などの症状が出て、「場合によっては死亡する可能性もある」というぐらい強い毒なのです。また、毒と薬は表裏一体というように、「漢方薬として使われる」こともあり、その場合は風邪などにむいているとされています。

 

【紫陽花は幸運を招くお守りにもなる】

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このように、良く目にする花でありながらも、「意外と知られていない事実の多い紫陽花」ですが、「幸運のお守り」にもなるということをご存じでしょうか? 古くから「紫陽花を軒先に吊しておくと、金運を招き厄除けになる」と考えられていたのです。ただし、その理由ははっきりとしていません、紫陽花が蜂の巣に似ていることから、商売繁盛を願って吊す蜂の巣の代替品とされたという説や、花が多くつくことから多くのお金を招いてくれるというものもあります。また、単に紫陽花を吊すのではなく、「他人の家の紫陽花でなければならない」という、マナー的にどうなの? というものもあります。

この泥棒を推奨するような風習は、愛知県にある「補陀寺(ほだじ)」というお寺の周辺で伝わっていました。この風習があったことで、近隣でトラブルが相次いだために補陀寺の住職が境内に沢山の紫陽花を植えて、いくらでも持っていって大丈夫なようにしたのです。このために、現在ではなんと「5万株もの紫陽花」があり、立派な観光地となっています。

また、「紫陽花の花が霊力を秘めている」という説もあります。兵庫県にある「相生若狭天満神社」は別名を「あじさい神社」と呼ばれています。その名の通り、こちらでは「魔除けのあじさい」を授与しています。こちらは、境内に咲いた紫陽花を乾燥させたものであり、「毎月6のつく日」に軒下や玄関などに、逆さにして吊すことで、金運を招き、厄除け、魔除けになるとしています。また、女性の場合は、「トイレに吊すことで健康祈願となり、婦人病への対策にもなる」とのことです。いまいち、6のつく日に吊すという根拠がわからないのですが、なかなか面白い風習といえるでしょう。

 

【自分でお守りの紫陽花ドライフラワーを作ろう!】

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このように金運をもたらし、魔除けとなり、さらには女性特有の病気平癒の祈願ともなる紫陽花。魔除けのあじさいを授与してもらうのもいいですが、「自分で紫陽花のドライフラワーをつくって、それを玄関やトイレに吊してみる」というのはいかがでしょう? 紫陽花は水分が多い花ですので、コツはいりますが、自作することも充分可能です。

紫陽花をドライフラワーにする時に、注意するポイントは以下の通りです

・見頃が終わって色があせてきたものを使う
・晴れて乾燥した時期を見計らって短期間で乾燥させる

とにかく、水分が多い花ですので、じわじわと乾燥させると失敗する可能性が高くなります。そこで、「梅雨が明けていい天気の時を見計らうのがベスト」です。室内で乾燥させた場合は、うまくいけば「2、3日で綺麗なドライフラワー」となります。風通しのいい場所が確保できない場合は、「車の中に放置する」という方法もあります。夏の車内はかなり高温になりますので、一気に乾燥させるためにはおあつらえ向けです。ただし、直射日光があたると、せっかくの色が落ちてしまいますので、「日陰になる場所に吊す」ようにしましょう。うまくいけば1日でドライフラワーにすることも可能です。

自らの手で作った紫陽花のドライフラワーは、とても良いお守りとなると思いますので、庭に紫陽花が生えているという方は、梅雨があけたタイミングで是非チャレンジしてみてくださいね。