【江戸時代の初物食いには意味があった?】
「旬の食材を食べると身体にいい」というのは、よく聞く話しだと思います。それが、かなり行きすぎてしまったのが、江戸時代に流行した「初物食い信仰」でしょう。江戸時代には初物を食べると「75日寿命が延びる」として、多くの人たちが初物の魚や野菜を購入しました。
初物というのは、魚にしろ野菜にしろ、旬のちょっと手前に収穫されるものですから、流通量も多くなく、多くの人がほしがれば、当然値段も高騰します。あまりの値段の高騰に、幕府が「初物買いを禁止した」ことすらあったそうです。
江戸時代の初物食いに関しては、途中から江戸っ子の見栄っ張りな気質が影響してしまい、本来の目的とは異なったものとなってしまった感じがありますが、旬の野菜を積極的に食べるという意味では理にかなっているといえます。
【医食同源から生まれた五性】
漢方には「五性」という考え方があります。漢方といえば、漢方薬というイメージがありますが、「医食同源」という思想があるために、直接的な薬効を持たない食べ物にも、きちんとした理論があるのです。それによると、食べ物は「寒性」「涼性」「平性」「温性」「熱性」の5種類にわけられるとしています。まずは、それぞれについて簡単に説明しましょう。
まず「寒性の食べ物」は、名前の通り身体の熱を取ってくれます。身体を冷やすのはもちろんですが、沈静消炎効果を持つ食材も多いのです。次に「涼性」は、寒性をマイルドにした感じです。身体を冷やす力はありますが、穏やかであり冷やしすぎたりするということがありません。また、体内の不要なものを排出するデトックス作用が強いともいわれています。
「熱性」は寒性と反対です。身体を熱くしてくれる力があります。血行を促進し、新陳代謝を良くしてくれますが、身体に不純物を蓄積しやすいために、取り過ぎるとニキビや吹き出物の原因となります。「温性」は熱性をマイルドにしたもので、血行を促進し、気の流れを良くすることで、身体を温める力があります。強烈な力でないかわりに、食べ過ぎても吹き出物がでるようなデメリットは少ないといえるでしょう。
最後の「平性」は、今までの4つのどれにも属さないものであり、身体を冷やしたり、温めたりしないかわりに、身体のバランスを保ち、なおかつ栄養補給するために向いている食品が多く存在しています。
【旬の食物を食べると健康を維持できる】
これらの要素にあわせて、さまざまな食材が分類されているのですが、基本的に旬のものが多く含まれています。温性や熱性は「冬の食材、北国の食材」が多くあり、寒性や涼性は「夏の食材、南国の食材」が多くあるわけです。つまり、その時期の旬のものを食べれば、夏ならば身体が冷やされ、冬ならば温まり、より快適な状態を維持できるということになります。
漢方では、このような食材をそれぞれ細かく分類されていますが、食材の量が多いこと、また地方によって旬が異なることから、文献によって差異が出ることが珍しくありません。ある文献では平性となっているものが、他の文献では温性に分類されたりという具合です。
【迷った時は旬のものを食べよう!】
寒い時期になり、風邪やインフルエンザが流行すると、健康の為にどんな食品を食べたら良いのか悩むこともあると思いますが、そんな時は旬の野菜や魚を中心にするといいでしょ。今の時期でしたら、「かぼちゃやショウガ」などが温性の野菜としてオススメです。より強い温め効果が欲しい場合は、そこに「唐辛子やシナモン」を追加してみるというのもいいでしょう。
【季節のエネルギーを取り込む】
また、旬の食べ物を取り入れるというのは、「季節のエネルギーを身体に吸収する」ということに他なりません。物理的に身体を温めたり、冷やしたりするという力があることはもちろんですが、四季のある日本では、「土地が持つバイブレーションも変動」します。
それを最も感じているのが野菜ですので、旬の野菜を食べると体内にその季節のエネルギーが入ります。すると、その季節を過ごしやすくなりますし、季節にあわせた直感が開かれるようになりますので、スピリチュアルな観点からみても、旬の野菜はオススメです。
ポイントは「悩んだときは旬のもの」というところだけです。最近では温室栽培も増えてきたので、旬の野菜や魚を見分けるのも難しいかもしれませんが、スーパーなどでチェックしていると、旬のものは比較的安かったりすることが多いので、お財布にも優しく健康になれる旬の食材を、生活の知恵として取り入れてみてください。
Meaning to eat seasonal food.
You get a healthy seasonal food.