アロハ! アロヒナニです。
観光地ハワイの知らざれるディープな世界を毎回お伝えしていますが、今回はハワイ神話から女神をご紹介します。
「雪の女神ポリアフ」
自然崇拝のハワイでは、古代より自然現象の中に神々の姿を見出してきました。
私のこちらでの連載では、Vol.7では火山の女神ペレ、Vol.12では月の女神ヒナについて書かせていただきました。
Vol.7でご紹介した女神ペレは、ハワイ島キラウエア火山に住むと信じられている女神。彼女の怒りによって今でも毎日溶岩が流れているとハワイの人々は信じています。
そのペレのライバルとも言える雪の女神ポリアフは同じハワイ島のマウナ・ケアという山に住んでいます。
白い山と言う意味のマウナ・ケアは標高4205mで、世界の天文台があることで有名です。常夏のイメージのハワイですが、マウナ・ケアの山頂には雪が積もり、その雪はポリアフが降らしていると信じられています。
ポリアフはそのとても美しい容姿から、ペレから敵視され、戦いを挑まれます。火山の女神と雪の女神、戦ったらどちらが勝つでしょう? 火山が雪を溶かしてしまうからペレが強い、そう思うかたが多いかもしれません。
でも、正解は実はポリアフ。ペレが流す溶岩を雪で凍らせてしまうのです。ペレはとても情熱的で短気な性格で、後先考えずに怒りにまかせて溶岩を流してしまいますが、ポリアフはとても冷静で、動じることなく、雪を降らせてペレの溶岩を凍らせてしまうのです。
不動の強さは何よりも強い
ハワイではとても強い存在として怖れられ崇められている女神ペレ。そのペレをも打ち負かしてしまう強さを持ったポリアフ。彼女とペレの戦いから見えてくる教訓とは、「不動の強さは何よりも強い」ということ。
私のオリジナルカード「ハワイアンカード」でも、ポリアフのカードが伝えるのは、「不動の強さを持てば何事も切り抜けられる」ということ。
何かが起こったとき、怒ったり、じたばたして動きまわることは簡単です。困った、どうしよう、ああでもない、こうでもない、とあたふたするほうが楽だったりします。
じっと動かずにいることは忍耐を伴うし、動くことよりもかえってエネルギーを使います。
でも、あえて動かずにじっとしてみる。何が効果的かを考え、冷静に判断する。
誰かが攻撃してきたとしても、相手と同調して怒って反撃するのではなく、「あの人勝手に何かやっているわ」と無視してかわせば、反撃されずに放置されやり場を失くした相手の怒りは、やがて自滅するしかなくなります。
もしあなたが何か困った事態に遭遇したとき、ポリアフのように冷静な強さを発揮してみてください。きっと事態はそのうちに落ち着いていくでしょう。
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「ハワイアンカード~マナとアロハをあなたに」
アロヒナニ著 中根麻利イラスト
JMAアソシエイツ刊 3240円(ガイドブック付)
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