『暮らしに活かすアーユルヴェーダ~ 予防医学の時代 ~』

「予防医学(健康法)」と「病気の治療」はまったく異なるということです。この2つを混同してはいけません。 「予防医学(健康法)」は老若男女、概ね誰もが実践可能ですが、「病気の治療」は専門知識や経験を有する医師しかできません。

 

自分の健康を作り・守る

アーユルヴェーダでは、「自分の健康は、自分で作り、自分で守る」と考えます。

健康の素も、病気の素も、自分の内にあるということです。

ですから、一人一人が予防医学の知恵を学び、実践することが必要なのです

アーユルヴェーダの予防医学の特徴として、「自然の理にかなっていて、シンプルである」ということが上げられます。

医学の専門知識や、高価な道具や入手の難しい材料が無ければできない事ばかりであれば、その予防医学はほとんど私達の役には立ちません。

自然でシンプルであるが故、誰もが暮らしに取り入れやすいということが、アーユルヴェーダの予防医学の魅力のひとつであると言えます。

 

予防と治療

ここでひとつ、心得ておきたいのは、「予防医学(健康法)」と「病気の治療」はまったく異なるということです。この2つを混同してはいけません。

「予防医学(健康法)」は老若男女、概ね誰もが実践可能ですが、「病気の治療」は専門知識や経験を有する医師しかできません。

アーユルヴェーダの古典書には、治療すべき六段階という発病機構が説かれており、アーユルヴェーダ医師はその段階を見極め、診断、処方を行います。

病気の治療を行う際の病理や薬理は、普段、健康の維持・増進を行う際の理論などよりもっと複雑ですので、高度な医学知識が必要です。

例えば、「気温の高い真夏、熱中症にならないように予防しよう」と思えば、風通しの良い涼しい日陰で過ごしたり、甘いスイカやメロンを食べたり、水浴びしたり……などの養生法をとります。

この予防方法は、食事や生活法により「冷性」という性質を取り入れて、「温性」を緩和することで、ピッタ(火)が体内に増えすぎないようにする、というアーユルヴェーダの薬理理論にそっています。

ですが、風邪などで「発熱」したとき、熱が高いのだから同じように「冷性」をとりいれたら良いかというと、単純にそうとはなりません。

発熱という病状の場合、「温性」だけが関わっているということはほとんどなく、他のさまざまな性質やアーマという毒素がからみあい、身体の生理機能を著しく低下させているとアーユルヴェーダでは考えます。

なぜ発熱したのかという診断と、それにあった処方が必要です。

それによって、先ほどの熱中症の予防の時とは逆に、身体が外気にさらされないように守ったり、ショウガ湯で温めたり、食事を軽くしたり……などの養生法をとり、時には薬の服用を行います。

このように、「病気の治療」に関する知識は高度であり、一朝一夕では身につきませんが、
「予防医学(健康法)」は、誰でも今すぐに始められます。

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アーユルヴェーダの予防医学は、時にシンプルすぎて拍子抜けするかもしれませんが、健康効果は絶大です。

また、日々のちょっとした不調(肩こり・腰痛・冷え・ストレス・疲れなど)の改善にも大いに役立ちます。

ぜひ、皆さまの日々の暮らしにとりいれていただけたらと思います。

この文章を読んでくださった皆さんの人生が、より幸せに満ちたものとなりますように。

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