Trinity読者の皆さま、こんにちは。アーユルヴェーダ研究家の遠田優美です。
本連載では、精神の健康のためのアーユルヴェーダの日常生活法「サッドヴリッダ」をご紹介しております。
サッドヴリッダの実践には、ほとんどお金がかかりません。
ですが、その健康効果は高く、心と体、ひいては人生そのものをより良くします。
効き目は確かで、副作用もありません。
老若男女を問わず、「やろう!」と思えば、どなたも今すぐ始めていただけます。
『善は急げ』
まさに、今回のテーマはそんなお話です。
善い行いとは?
健康な精神作りのために、
『善い行いを積極的にしなさい』
とアーユルヴェーダは説きます。
さて、「善い行い」とは、どのような行いでしょうか?
このテーマは、とても単純なことのようも思えますが、深く考えると、とても複雑なことのようにも思えます。
古典によると、善い行いとは、『私心のない、良心にしたがった行い』と説かれます。
私心とは、自分の利益だけを考える心です。
良心とは、正義を重んじる心です。
ほとんどの場合、私達は自分の利益のために、毎日行動していると言えるでしょう。
健康のために身体に良い食事をして、
若々しさを保つために運動をして、
夢を叶えるために働いてお金を稼いで、
周りの人達から好感を得られるようにおしゃれをして……
自分の利益、つまり自分を幸せにするために行動しています。
上記の、自分を幸せにするための行いは、全てアーユルヴェーダの古典書でも勧められている内容であり、一人一人が自分の幸福を追求することは悪いことではありません。
ここで大切なことは、「自分以外の他の生命の幸福も、自分の幸福と同じように追求し、社会全体を幸せにする行動を選択する」ようにすることです。
つまり、みんなが幸せになり、良い結果となる……ことを目指して、今の自分ができる最善をつくすことが「善い行い」と言えるでしょう。
人によって、立場や状況が変われば、するべき「善い行い」は違ってくるかもしれませんが、自分の心の声を素直に聞くことができれば、今、自分がすべき「善い行い」が何か分かるでしょう。
そして、何の私心も悪意もなく、善い行いをする時には、自然で、ストレスが無く、気分が良い状態だと思います。
このような行いを習慣とすることが、心と体を健康にし、よりよい人生に繋がります。
結果は気にしない
いつでも、すすんで善い行いをすることが大切ですが、
さらに重要なことは、最善を尽くしたら、結果に執着しないことだとサッドヴリッダは説きます。