恐れられる神から福の神まで、神となった人たち

偉大な業績を残した人だけでなく、ここしばらく続いているゆるキャラブームや、ご当地ヒーローブームなどを見ていると、我々日本人は「様々なものに神性を見いだすことが得意な民族」といえると思いませんか?
恐れられる神から福の神まで、神となった人たち

【人間が神になる国】

日本は八百万の神がいる国といわれています。それだけに、「様々なものに神性を見いだすことが得意な民族」といえるでしょう。

山や川といった大自然、風や雷といた自然現象などはもちろんですが、「道ばたにある石にまで神が宿る」とする場合もあります。そのような文化があるために、「人間が神となる」ことも多々あります。

 

【最も有名な神となった人間】

神となった人間として、最も有名なのは「菅原道真」でしょう。子供の頃から学問に才能を発揮し、神童とよばれ、その才能をいかんなく発揮し、学問の分野で最高峰といえる「文章博士」となりました。その後は、学問だけでなく、政治にも能力を発揮し、実質国のトップ3に入る「右大臣」まで登り詰めたのですが、政敵による陰謀により、都から追放され「失意の内にこの世を去る」ことになります。

このエピソードをみると、偉人として神になったようなイメージがありますが、実際はそうではありません。道真の死後、「陰謀に関わった人物や、天皇及び天皇の係累などが次々と死亡し、さらに会議中に天皇の住居である清涼殿に落雷があり、多くの死傷者を出す」という事件まで起こりました。これらは、「道真の祟り」であるとして、陰謀によってかぶった罪を間違ったものとして、名誉を回復するだけでなく、生前よりも高い地位を与えて、道真の霊を慰めようとしたのです。

 

【祟りを恐れて全国に神社を建立】

これらの事件があまりにもインパクトがあったために、道真は「雷の化身」であると考えられ、「雷の神様が祀られていた神社」に祀られるようになったのです。しかし、神として祀られてからも「100年近く、落雷や事件があるたびに、道真の祟り」ではないかと恐れられた結果、道真を祀る「天神社」が全国各地に建立されることになりました。

今では、生前のイメージの方が強くなったために、「天神様」といえば学問の神様として信仰されていますが、本来は「祟りを鎮めるためのもの」だったのです。

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【偉人や英雄は神になりやすい】

このように、恨みをもって死んだ偉大な人を祀るというケースは比較的古くからありましたし、「偉大な功績を残した人を神として祀る」というパターンもあります。実在していたかどうかはともかくとして、「神武天皇」やその母親などはこういったケースに当てはまりますし、「日本武尊」なども人間的なイメージが強い神様です。