ユーモラスだけれども、万能の御利益を授けてくれる神様。その素顔は怖かった?

さまざまな御利益をもっている反面、この仏様を祀るためには「強い霊力をもっている必要がある」といわれています。「荒行をこなした人」でなければ祀ることができず、生半可に祀ると「恐ろしい祟りがある」というのです。
ユーモラスだけれども、万能の御利益を授けてくれる神様。その素顔は怖かった?

【象の顔をもった神様】

インドなどで信仰されている「ヒンドゥー教」には、さまざまな神様が登場しますが、その中でも人気の高い神様に「ガネーシャ」という存在がいます。この神様は、「4本の腕をもち、お腹のふくれた人間の体に、片方の牙が折れた象の頭が載っている」という、特異な外見をしています。

象の顔をしているだけでなく、お腹も「ちょっとぷっくりしている」ので、ゆるキャラのようなユーモラスさがあります。とても人気がありますので、インド料理屋などで「ポスターや、神像を見たことがある」という方も多いかも知れません。

 

【かわいいけれども商業と学問の神】

料理屋さんなどで良く祀られているのは、この神様が「商業と学問の神」として信仰されているためであり、新しい物事をはじめる際にこの神様に祈りを捧げることで、「あらゆる障害を取り除いてくれる」ともいわれています。

 

【漫画みたいな、牙が折れた理由】

この神様には「片方の牙が折れている」という特徴がありますが、その「牙が折れた由来もユニークなもの」です。この由来はいくつか説があるのですが、父親が投げた斧を避けるのは失礼にあたるので、あえて牙で受け止めたら折れた。夜道を籠に乗って運ばれていた時に、従者が蛇に驚いて、籠を放り投げた時に、転げ落ちて折れてしまった。夜道で転んだときに、お菓子がお腹の中からこぼれて、月に笑われたので、頭にきて自分で牙を折って月に投げた。というように、どれもが「神様としてはどうなの?」というようなものとなっています。

こうしたユーモラスさもあり、インドでは人気があるのですが、仏教に取り入れられて仏様になると、その性格がちょっと変わります。仏様としての名称は「歓喜天」と呼ばれており、すべての「願望を成就させ、欲望を叶える力がある」とされています。
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【セクシャルな姿をした歓喜天】

ヒンドゥー教の時に比べて、御利益がかなり万能になっているのですが、それに伴い姿もかなり変わっています。象の頭をもっている点は変わらないのですが、基本的に「女性の神様と抱き合った姿で表現される」のです。その姿は足を絡めていたり、顔をくっつけていたりと、単に抱き合っているよりも、より「エロティックでセクシャルな雰囲気を持」つために、秘仏として普段公開されないことも多いのです。

 

【歓喜天が大根を好む理由】

そんな歓喜天は奉納物として、「二股大根を好む」とされています。折れた牙の代わりに大根を供えるという説もありますが、二股大根はより「エロティックなものほど、喜ばれる」という説もあります。こちらは、夫婦和合を象徴し、供えることで「良縁や和合が訪れる」とされているのです。こうやって紹介してくると、ガネーシャにセクシャルな要素が加わっただけのように思えるかもしれませんが、この仏様は、仏教の中でも最も恐ろしい顔を持っているともいわれています。

 

【生半可に祀ると強い祟りをもたらす】

前述したように、さまざまな御利益をもっている反面、この仏様を祀るためには「強い霊力をもっている必要がある」といわれています。「荒行をこなした人」でなければ祀ることができず、生半可に祀ると「恐ろしい祟りがある」というのです。

歓喜天を祀る方法として、「浴油法」というものがあります。簡単にいうと、何度も真言を唱えて「力を込めた油」を一定の温度に温めた上で、歓喜天の像を油に浸して、お供えをした後で油をくみ上げて、像に108回注ぐという行を1日7回、それを7日続けるということで、「すべての願いが叶う」とされているのですが、これを行う人は高いレベルの修行を積んでいなければ「効験がないだけでなく、逆に障害が残るほどのダメージがある」とされています。

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また、専門家でなく一般の信仰でも、願いが叶ったからといって、その後にお供え物をすることを怠るようになったり、信心を失ったりしたら、それまでの「幸福がなくなるだけでなく、祟りもある」のだそうです。

なぜ、ユーモラスな存在のガネーシャがこのように変容したのかは、定かではありません。日本に入ってきた時点で、ガネーシャの「父親である破壊神シヴァの要素が取り入れられた」というものや、ガネーシャがシヴァの妻であるパールヴァティの垢、すなわち「穢れから生まれたことが原因」ではないか、他の神話の邪神と融合したのではないかなど、様々な説が唱えられています。

 

【男女関係をよくしたい人にはオススメ ただし覚悟が必要!】

こういった要素があるので、日本ではインドほどポピュラーではありませんが、その代わり御利益の範囲はとても広くなっておりますし、「男女の関係を良くするパワーはとても強い」とされていますので、今、男女関係や夫婦関係で悩んでいる方は、ある程度の覚悟をもった上で、歓喜天の御利益を願ってみるのもいいかもしれません。

 

Scary and Unique God.
Ganesha and kangiten.