宇宙を表現し、未来を予見するゲーム「囲碁」で人工知能が勝利

世界的に有名なボードゲームとしては「チェス」と「将棋」がありますが、ゲーム中に想定できる局面数が「チェスは10の120乗、将棋が10の220乗、囲碁はなんと10の360乗」となっています。あくまでも局面数だけですが、「桁違いの複雑」なことがわかると思います。

 

【織田信長の凶事を囲碁が予知した】

このように非常にスピリチュアルな象徴が秘められている囲碁ですが、実際に「予言」のようなものが成立したという逸話も残っています。有名な武将である「織田信長」の前で、日蓮宗の僧侶が御前試合を行うことになりました。このとき、「三劫(さんこう)」という形が出現したのです。こちらは非常に珍しいもので、「何万局に1回」という割合でしか起こらないものであり、この形になった場合は「勝負は無効となる」という取り決めになっています。さらに、昔からの言い伝えで「三劫は凶事の前触れ」といわれていたのです。このとき、凶事を恐れた僧侶たちは早々に立ち去りましたが、それから数時間後、御前試合の会場となった「本能寺は火に包まれ、信長は命を落とす」ことになります。このことから、囲碁が信長の運命を予見したのではないかとされているわけです。

 

【とてつもなく複雑な囲碁の局面】

そんな囲碁ですが、他のボードゲームに比べると「格段に複雑」なことでも知られています。世界的に有名なボードゲームとしては「チェス」と「将棋」がありますが、ゲーム中に想定できる局面数が「チェスは10の120乗、将棋が10の220乗、囲碁はなんと10の360乗」となっています。あくまでも局面数だけですが、「桁違いの複雑」なことがわかると思います。このことから、人工知能が囲碁で人間に勝つのは相当時間がかかると思われていました。

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【囲碁のトップ棋士を人工知能が破る】

しかしながら、今月、Google傘下の企業が開発した「アルファ碁」という人工知能が、囲碁の世界的な棋士にたいして、「4勝1敗で圧勝する」という結果を出しました。誰もが予想していなかった人工知能の圧勝に世界中が騒然となったために、ニュースで見たことがあるという方も多いと思います。今までの囲碁ソフトは、計算能力によって局面を分析することがメインだったのですが、今回は「深層学習」という手法で、インターネット上にある十数万局という膨大な囲碁の対局記録を学習、さらに人工知能らしく自分自身との太極を繰り返し、勝利に繋がる手法を学んでいったのです。

このことで、「人間の常識とは違った新しい手法」までうみだしたことで、トップレベルの棋士すら打ち負かすだけの能力を人工知能は獲得しました。とはいっても、人間も今回の人工知能がうみだした新しい手法から学び学習することで、より囲碁の世界が深くなると考えられていますので、必ずしも完全に人類が敗北したというわけではありません。また、そもそもの、「囲碁が持っていたスピリチュアルな要素」というのは、機械では理解することが難しい要素ですので、そのあたりも取り込むことも人間が人工知能に勝つためのヒントになるのではないでしょうか。しかし、そんなスピリチュアルな要素までも、人工知能が取り込んだとしたら、その時世界はどのように変わるのでしょう?

Spiritual game Go.
Artificial Intelligence and Go.

 

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