宇宙を表現し、未来を予見するゲーム「囲碁」で人工知能が勝利

世界的に有名なボードゲームとしては「チェス」と「将棋」がありますが、ゲーム中に想定できる局面数が「チェスは10の120乗、将棋が10の220乗、囲碁はなんと10の360乗」となっています。あくまでも局面数だけですが、「桁違いの複雑」なことがわかると思います。

【最近話題の人工知能】

最近、「人工知能」についての話題がつきません。英語の「artificial intelligence」の頭文字を取って「AI」などとも呼ばれています。文字通り、機械が人間のように思考するというものですが、20世紀に入ってから人工知能の研究はどんどん進み、有名な「スティーブン・ホーキング博士」は2014年にBBCのインタビューにたいして、「人類史上最大の出来事」とする一方で、「もしも完全な人工知能が完成したならば、それは人類の終焉を意味するかもしれない」とも語っています。

そんな人工知能の発展はめざましく、つい最近もその「性能の向上」が話題となりました。なぜ、話題になったかというと「2000年以上前」から行われてきたゲームである「囲碁」で人間に勝利したからなのです。

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【スピリチュアルなゲーム囲碁】

囲碁は非常に古いゲームであり、ある説によると「4000年以上の歴史」があるともいわれています。白と黒の碁石を使った一見するとシンプルなゲームですが、こちらは元々は「占星術として使われていたスピリチュアルなもの」ではないかともいわれているのです。それは、囲碁で使われている「碁盤が宇宙をあらわしている」ため。

碁盤は縦横に線が引かれており、この縦線と横線の交点に碁石を置いていきます。この線は縦横19本づつひかれているのですが、この線はすべて「暦」と関係があるといわれています。縦横の線をかけると交点は「361」となり、中央の1を万物の起源として考えてはぶくと、全部で「360」となります。現在では1年は365日ですが、古い時代には「360日で1年」としていたこともあるのです。さらに、四隅は「春夏秋冬の90日」を表し、碁盤が四角く、碁石が丸いのは、「円を天、四角を地」と捉え、地である碁盤に、時の線を刻み、そこに天をあらわす碁石を置くという意味があるのです。このことに注目した日本の天文学者が碁盤の中央部分を「天元(てんげん)」もしくは「太極」と呼びました。これは宇宙に中心と陰陽の調和をあらわした言葉であり、今では「囲碁の用語」として定着しています。