こんな視点はいかがでしょう? MIKAKUの易占アドバイス(11月第2週)

古来より、この「中庸」に身を置くことは、なかなか困難を伴うと言われて来ました。とは言え、私達の生活実感としては、「バランス良く生きて行こう」と考えるだけでも、だいぶ違うように思えます。

大衍筮法による易占、4096の卦から得られる、先哲の英知。
取り入れてみると、ちょっと素敵な一週間になるかも?
易者MIKAKU(未畫齋)がお伝えします。

大自然

今回は、「无妄之節」(无妄、節へゆく)の卦から得られる指針をご紹介します。
「无妄」(むぼう)の中に「節」が内包されている、という運気を示すわけですが……。

メインの運気を示す、「无妄」(むぼう)ですが、「无」は「無」、「妄」は「望」を意味します。
ああしたいこうしたいという希望や予定、へたな工夫や下心を捨てて、自然のなりゆきに身を任せるべきだ、そういう運勢を示しています。

「无妄」が示しているのは、大きな運勢です。専門的な用語でいうと、「中正」が二つあり、正しく対応しているので、理想的な運勢ともいえます。
というと、非常にすばらしいかのように思えるのですが、「无妄」は、「運命というもの」「自然というもの」を賛美する卦なのです。
これを人間の身に引き直してみると、大自然のもたらす働きは、たとえば四季があって、晴雨があって、生活が成り立つのですが、思わぬ大災害もありえます。大災害のような不幸があっても動じないように、そういう戒めをふくんだ運勢です。

そのため、この卦は吉とか凶とか、そのような評価を下しにくい卦です。
この卦が出た時は、邪念を捨てて無心でいくのがよい、と言われます。
全体的には受け身の態度が良いとされます。自然発生的な出来事には従っておいて悪いことはない、そのような運勢です。逆に欲を出すのはあまりよくありません。
思いがけない不幸や、逆に思いがけない幸運があるかも知れず、逆に無いかもしれない。まさに運命であり、それはなかなか予想できない。そのような運気です。
易者泣かせの卦というわけであります。

自然3

 

中庸

このような「无妄」に内包されているのが、「節」の卦です。
以前紹介しましたが、この「節」は、「竹のフシ」です。竹は、伸びる時はスイスイと伸びますが、「ふし」で一旦成長を引き締めますよね。そしてまた伸びていく。伸び伸びする時と、引き締める時とを交互に使い分けて、高く伸びることができるわけです。
したがって、この卦が得られた時の心構えは、「節度」すなわち「メリハリ」です。
サボりすぎも良くない、頑張りすぎもバランスを失している。
目指すべきは、「中庸」というわけです。

「中庸」は、「二つの選択肢の、真ん中をとればいいや」という意味ではありません。
どこがベストバランスかを合理的に見極めて、主体的にそこに身を置くという、積極的な態度です。
古来より、この「中庸」に身を置くことは、なかなか困難を伴うと言われて来ました。とは言え、私達の生活実感としては、「バランス良く生きて行こう」と考えるだけでも、だいぶ違うように思えます。
「そう思う」だけでも、すでに一歩を踏み出しているということですね。

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