ゴールデンウィークの渋滞でも注意が必要〜今話題のエコノミークラス症候群への対処

せっかくの楽しいゴールデンウィークが台無しにならないように、またいつ自分が被災者になるかわからない地震に襲われた時の備えとしても、「エコノミークラス症候群についての知識はしっかりと身につけておいて損はありません」。また、その予防のために重要なポイントである「足の運動」及び「水分補給」もしっかりと覚えておきましょう。

【被災地で起きるエコノミークラス症候群】

熊本県を中心に、九州地方では地震が続いています。連続で大きな地震が起きたこともあり、家から離れて「車中泊」を繰り返したり、「狭い場所で寝泊まりをする」ことを強いられることもあり、「エコノミークラス症候群で死亡する」というケースが発生しています。地震直後というストレスや、飲料水が足りないなどの物資不足、さらにはトイレを自由に使えないなど、悪い条件が重なったことで、このような痛ましいことが引き起こされてしまっています。

 

【元々は飛行機由来の用語だった】

エコノミークラス症候群とは、名前の通り、元々は「飛行機に長時間乗る際」に狭い座席、すなわちエコノミークラスに座った場合、「長時間同じ姿勢を強いられる」ために、下肢が圧迫されることでうっ血状態となり、そこに血栓が生じることが原因となっておこるものです。足で生じた血栓が肺に詰まることで「肺血栓塞栓症」を引き起こします。こちらは、名前通り、肺の動脈が閉塞されることで起こるものであり、「呼吸困難や頻呼吸、突然の胸痛」を引き起こし、最悪の場合には「ショック状態となり死に至る」こともあります。

95081593

 

【2004年から震災でも起こることがわかってきた】

大きな地震が起こった場合は、家から離れたり、狭い避難所で身体を動かさずにいることが多いために、「エコノミークラス症候群の発症リスク」があがります。これまでは、飛行機や車といった乗り物で起こることが多かったこの病気が、他の場所で起きることが、注目されるようになったのは、「2004年に起きた新潟県中越地震」がきっかけでした。このときは、車中泊で避難した人が多かったために、地震後2週間以内に「11名が発症し、6名が死亡」となったのです。今回の熊本地震の場合は、最初の地震から2週間たった時点で「18名が発症している」ということで、今までにない早さであり、その対策のために日本循環器学会が「専門チームを編成し、エコー検査などの診断及び弾性ストッキングによる血流改善の指導などを開始」しています。

 

【楽しいゴールデンウィークでもエコノミークラス症候群は要注意】

このように紹介すると、エコノミークラス症候群は「特殊な状況でしか発症しない」ように思えるかもしれませんが、これからやってくるゴールデンウィークでも、エコノミークラス症候群には警戒することが必要となってきます。今年のゴールデンウィークは「最大10日間」ということで、全国各地の観光地が賑わうとともに、例年よりもさらに「酷い渋滞が引き起こされる」ことも予想されます。

234239257

 

【エコノミークラス症候群が起こる条件】

この渋滞が「エコノミークラス症候群を引き起こす条件をすべて満たしてしまう」のです。エコノミークラス症候群が起こる条件として下記のようなものがあります。

・長時間同じ姿勢を強いられる
・水分が体内から枯渇する
・疲労とストレスが蓄積する

渋滞になると、当然ながら運転手はもちろん同乗者も、同じ姿勢を保ち続けることになります。また、水分補給は可能ですが、「エアコンによる空気の乾燥によって水分が奪われ」、渋滞だとトイレに自由に行けないために、なるべく水分を取らないようにしがちです。当然ながら運転時間も長くなりますので、ストレスと疲労が溜まっていくわけです。これだけの条件が重なることで、「足に血栓ができる可能性」がかなりあがります。