食物連鎖の最下位に属しながらも、多くの益を与えてくれる小さな竜

食物連鎖の最下位にありながらも、母なる大地や、私たち人間を癒してくれるという多くの利益をもたらしてくれる偉大な存在ですので、むやみやたらと怖がらないようにしてあげてくださいね。
食物連鎖の最下位に属しながらも、多くの益を与えてくれる小さな竜

【様々なところでモチーフにされる竜】

「竜」というのは、想像上の動物ですが、中国の王朝では「皇帝を竜」になぞらえたりします。また様々な伝説が残っていることから、色々なものにその名がつけられてもいるのです。「竜巻」「登竜門」「画竜点睛」「竜虎相打つ」「竜頭蛇尾」などの言葉は一般的ですし、「竜眼」「竜の落とし子」「竜笛」「土竜」など、竜の名前がついた果物や、魚、楽器、動物なども多くあります。そんな中で、複数の竜の名前を持つ存在がいます。

 

【忌み嫌われる竜】

「赤竜」「地竜」「広地竜」「土地竜」と呼ばれ、薬として使われているその存在は、普段はあまり意識されないだけでなく、その姿からどちらかというと「忌み嫌われることも多いもの」です。その存在とは「ミミズ」

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【暦にもなっているミミズ】

とても一般的な動物ですので、見たことがある人も多いでしょう。それだけに、古来から伝わる暦である「七十二候」にも「蚯蚓出(みみずいずる)」という、そのものズバリの候が存在しています。こちらは、文字通り、卵からふ化したミミズが地面から出てくる時期を示したもので、初夏、今年の場合は「5月10日から15日までの5日間」を指します。

七十二候は、気象や植物、動物などの変化を知らせるものであり、元々は中国のものですが、日本と中国で気候の差があるために、オリジナルのものだけでなく、日本独自のものも多く存在しています。しかしながら、蚯蚓出は「中国伝来当初からある」ものであり、それだけ古くからミミズが身近なものだったことがわかります。

 

【土を浄化し豊かにする大地の腸】

見かけが気味悪いことから、嫌われがちなミミズですが、実は様々な利益を人間にもたらしてくれる存在です。ミミズは「土を食べる生物」ですが、それによって「土壌を豊か」にしてくれます。ミミズが出す糞が、良質な肥料となることから、ミミズの糞を積極的に活用した農法すら存在しています。

さらに、土を食べることで、そこに含まれた「重金属や農薬といった害のあるものを体内で濃縮する力」も持っています。これは、ミミズが多くの毒素を含むことになるので、ミミズを食べる生物にとってはマイナスとなりますが、あえて多くのミミズを使うことで、「汚染された土壌を浄化する」という試みも行われています。

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【薬としても使われるミミズ】

このように大地を浄化し豊かにすることから、「大地の腸」と古代では、呼ばれていたこともあるミミズですが、その身体には「強力な薬効」も備わっています。前述したようにミミズに竜がついた場合は、基本的に「漢方薬」として使われます。この場合、様々な薬効がありますが、特に効果的なものとしては「解熱」「利尿」「鎮痙」などがあげられます。また、「気の巡りをよくするための力もある」とされているのです。実際の薬理効果としては、解熱だけでなく、「血圧降下作用」もあることがわかっています。

最近では、「血栓を溶かす力がある」として、健康食品としても使われるようになっていますが、こちらに関してはある程度の論文はあるものの、科学的根拠が乏しいのではないかという反論もあるようです。

都市伝説として、有名チェーン店のハンバーガーの肉がミミズを使っているというものがありました。生理的な嫌悪感をもよおすものとして、ミミズがチョイスされたのでしょうが、実際には薬理効果があるために、ミミズは非常に高価であり、仮にミミズだけでハンバーグを作ったとしたら1枚あたり、数千円に達するという超高級品になってしまいます。ただし、食品としては基本的に使われませんので、味はとても悪いことでしょう。

これから、暦の通りミミズを見かける機会が増えると思いますが、食物連鎖の最下位にありながらも、母なる大地や、私たち人間を癒してくれるという多くの利益をもたらしてくれる偉大な存在ですので、むやみやたらと怖がらないようにしてあげてくださいね。

【参考サイト】
ミミズ酵素(その2) 用途特許を取得した健康食品、必ずしも臨床効果を保証せず(日経メディカル)
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/167119.html

Work of a small dragon.
In fact, a great earthworm.