リオオリンピックでも問題視される、3割以上も人体の性能をアップさせるドーピング 〜ドーピングは元々はスピリチュアルなものだった?〜

人間のさらなる可能性をひきだすのが、遺伝子改良などではなく、精神によって肉体をコントロールするという方向に向かうことを祈ります。

【リオオリンピックでも大会追放者があらわれる】

リオデジャネイロオリンピックが開催され、日本はいいペースで金メダルを獲得しています。その一方で、開催前、ロシアでは大規模なドーピング汚染によって、「100名以上の選手が参加停止」となったり、開催後も重量挙げや陸上、水泳などでドーピングによって大会から追放処分されたり、資格停止処分を受ける選手があらわれています。

前述したように、オリンピック開催前にロシアで大きな問題があったことから、「IOC(国際オリンピック委員会)」は、今回の大会期間中、よりドーピング検査を強化し、「4500件の尿検査と1000件の血液検査を行う予定」となっています。

なぜ、ここまでドーピングがオリンピックによって重要な問題となるのでしょう? それは、ドーピングによって、世界の頂点を決めるというオリンピックの意義がなくなってしまうからなのです。

 

【わずかな差を超えるためにドーピングに手を出す】

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ご存じの通り、オリンピックに出場できる人物というのは、それぞれの種目において国の代表であり、「人間としてトップクラスの能力」を持っています。競技によってその能力は異なりますが、それは、長年にわたる訓練と努力、そして才能によって培われたものです。その最高レベルの中で、「わずかな差を競い合う」のがオリンピックなのです。

ところが、「ドーピングをすることで、この差をたやすく縮めることが可能」となります。ドーピングには様々な種類がありますが、平均して「3割以上の能力アップ」を約束してくれます。なんの訓練をしない一般人でも、ドーピングで能力が向上するわけですので、1秒以下という微妙なレベルの差異を競うスポーツマンにとっては、魅力的に感じるのは当然といえるでしょう。

 

【元々は神事や祭事と関わりがあったドーピング】

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そんなドーピングですが、その語源は意外なものです。「南アフリカ共和国の原住民であるカフィール族」が、お祭りの時に「ドップ」という「強いお酒を飲んでいたことが由来」なのです。つまり、元々は「神事に使われるお酒」だったのです。神事にお酒を使うというのは、日本でも御神酒が存在することからわかるように、世界的に見て、とてもポピュラーなものです。お酒というと嗜好品のイメージがありますが、かつては「神と繋がり、自らの奥底に秘められた力を引き出す秘薬」だったのです。こういった秘薬の中には、お酒だけでなく、「チョコレートやコカの葉、コーヒー」といったものも含まれていました。

このようなものを摂取することで、「本来は得られないはずの力を肉体に取り入れる」行為がドーピングということになります。ここまで説明すると気がつく方もいると思いますが私たちが疲れた時に摂取する「栄養ドリンクなどは、まさにドーピング薬」であり、実際に風邪薬やある種の病気治療薬は、スポーツ選手が安易に摂取するとドーピング薬として検出されてしまうこともあるのです。

 

【最古のドーピング薬はハチミツだった】

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競技会において、外部からの力を借りてパワーアップしたという「最も古い記録」は、古代ローマで行われていたオリンピアで、二輪馬車をひく馬に「ハチミツを飲ませた」というものがあります。ハチミツは、現在では一般的な食品ですが、当時は活力をアップさせることのできる貴重なものだったのです。それから科学が発達するにつれて、化学物質を合成することが可能となり、「興奮剤などが使用される」ようになり、現在では用途に合わせて、さまざまなドーピング薬が使われるまでに発達しました。

 

【様々な種類のドーピング薬】

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では、現在はどのようなドーピング薬が使われているのでしょうか? もっとも一般的なものとしては「アナボリックステロイド」があります。こちらは、筋肉のタンパク合成を著しく増大させるもので、これによって、手軽に筋肉をつけることが可能となり、スポーツ選手はもちろんですが、ハリウッドスターやプロレスラーなどが見せる筋肉をつけるために使うことも多くあります。