一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.86 「天空の蜂」

本作はドラマチックにタイムリーな原発の問題の一部を描く優れたエンターテインメント作である。激しいドラマの裏に何を読み取るのか、個々人の霊格の高低を試されるような一作でもあると思う。
一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.86 「天空の蜂」

原発テロを描くサスペンス大作!
しかしその本質は「覚醒」への第一歩を促す

これ、良く映画化できたなあ、と思った。
95年に書かれた原作ながらものすごくタイムリー。そして現在私たちが直面している問題をガシッと突いてくる内容。
c02 _「天空の蜂」サブA(綾野×本木)

映画で世界を変えるとか、世の中を変えるとか出来ないと思うけど、2015年の今、これが映画化されたということは深い意味があると思う。覚醒の範囲が広がってきたな、という思いである。
この映画のラストの言葉。ものすごく考えさせられる。
沈黙する群集に、忘れさせてはならない」。
刻印のような言葉である。しかし、私たちは忘れてしまうし、政府は原発を廃止することはないだろう。しかし、アメリカの傀儡の政府はほっといて、覚醒した私たちは淡々と生きていくことが大切なのだと最近分かった。ただ、生きていく。
それがどれだけ大変なことか。波動を常に上げてフラットな気持ちをキープして今を生きていく。それも楽しく、だ。
c02 _「天空の蜂」サブA(綾野)
本作はドラマチックにタイムリーな原発の問題の一部を描く優れたエンターテインメント作である。激しいドラマの裏に何を読み取るのか、個々人の霊格の高低を試されるような一作でもあると思う。

 

ドラマチックな展開に叫ぶ(心で)、のけぞる
文句無く面白いけど、原発って必要悪なの?

テロリストにハイジャックされた巨大ヘリコプター。遠隔操作で犯人は原子力発電所の真上にヘリを静止させ、「日本中の原発を止めろ」と要求してくる。従わなければヘリを原発に落とす。燃料がなくなるまでタイムリミットは8時間。しかも、そのヘリには開発者の幼い息子が一人乗っている!

 

c03_「天空の蜂」サブB(子供)
犯人は当然原発に恨みを持つ人間である。
犯人を捜す刑事たち。息子を救出しようとするヘリの開発者と自衛隊員。そして、原発の所員たち。多方からの緊迫した展開が凄まじいアクションとミステリー仕立てで進み、快感を感じるほどの面白さだ。クライマックスなんて、あまりの激しいアクションにのけぞりまくり。
「ああっ!!」と何度も心の中で叫んでしまった。もう、ヒヤヒヤもんで、心臓に悪いのなんの。そこまで見せ場作らんでいいのでは? と、「安心させておいて……」という昨今のクライマックスにほとほと疲れてしまった。
c03_「天空の蜂」サブB
さて、とはいっても文句なく面白い。で、私が一番酷だなあ、と思ったのが原発で働く人や、その家族や、除染をする人たちだ。原発は必要悪というセリフがあったと思うが、原発が村に出来ることで村にはお金が落ちるし、高給で就職も出来る。しかし、そこで働く家族は原発反対!とバッシングされる。でも、原発によって私たちは電気を使えているのだ(ってほんとは原発なくてもエネルギーは大丈夫なんだけど。フリーエネルギーもすでに開発されてるし。私たちは原発マフィアに洗脳されてるだけなんだけど)。という構造で話を展開してるので、裏の犯人の身の上が哀れで、観てるのが辛かった。

 

大切なことは一人一人が波動を上げ、
声を上げること。沈黙だけはしてはいけない

そもそも地震国とも言える日本になぜ海沿いにこんなにたくさん原発があるの? って話だが、そこは原発マフィアの暗躍でこんななっちゃったのだ。いずれ、答えはでると思うが、大切なことは私たち一人一人が波動を上げることだと思う。今、日本の波動は下がっている。これを上げなくてはこれからもっと大変な時代に突入するも、生き抜けなくなってしまう。
c04_「天空の蜂」場面写真(対策室)
本作で描かれていることは、あくまで娯楽作としてのフィクションの映画だ。
しかし、事実もある。私はこの映画から少しでも原発について知るとか、勉強するとか、興味を持ち、日本のことを考えることができたらそれでいいと思う。あとは、自分の原発や政府に対する意見を持つことだ。それだけも「覚醒」は起こる。なにも考えないのもいいかもしれない。でも、それは覚醒してから「無我」の境地だと思うので、まず、自分なりに考えることは大切だ

 

c04_「天空の蜂」場面写真(仲間由紀恵)

だいぶ前にこの映画は試写を観たのだけど、時間がたつと感じ方が変わってきたものだ。観てすぐは劇的な部分にばかりに眼がいっていたが、今は劇的な部分を必要以上に劇的に感じることはないということだ。むしろ、それらを除いた詩的な描写にこそ本作の本質はあるような気がする。本木雅弘熱演。良い役者になったものである。彼の映画、とも言えるかもしれない。

本作を観て、私は、僕は、と声を上げることができたら、素晴らしいと思う。
沈黙することだけは、ないように。

 

「天空の蜂」

9月12日(土)より大阪ステーションシティシネマ他、全国にて公開
©2015「天空の蜂」製作委員会

■監督 堤幸彦
■原作 東野圭吾
■脚本 楠野一郎
■出演 江口洋介 本木雅弘 仲間由紀恵 綾野剛 國村隼 柄本明 光石研 佐藤二朗 やべきょうすけ 手塚とおる 竹中直人 石橋蓮司
■138分

 

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