百害あって一利なし
「タバコが身体に害をもたらす」ことはすでに周知の事実となっています。
タバコを吸う本人だけでなく、周りの人にも健康的被害をもたらすとして、世界的に禁煙が叫ばれ、分煙も進んでいます。
肺がんなどの要因になるといわれているタバコですが、その成分のひとつである「ニコチン」は、毒性が高いだけでなく、常習性をもたらすことでも知られています。
このように健康的な面からみると、百害あって一利なしのタバコですが、元来はスピリチュアルなものでした。
タバコは神への捧げ物だった
タバコの歴史は古く、メキシコのパレンケ遺跡には「タバコを吸う神」のレリーフがあることからもわかるように、当時は「神々に捧げるお香」としてはもちろん、さまざまな儀式で供物として、また、「病気治療の薬」としても使われていました。
ペルーでは、「250万年前」のものとされるタバコの葉の化石が発掘されており、タバコ自体はその時代からあったと考えられていますが、意図的に使われるようになったのは、前述のマヤ文明やアメリカ大陸の先住民であるネイティブ・アメリカンによってだと考えられています。
ネイティブ・アメリカンは、タバコをさまざまな形で利用していますが、その理由を「精霊たちがタバコの煙を好む」からだとしています。
好まれている煙を精霊に捧げることで、その力を借りることができるというわけです。
日本ではタバコは魔除け
日本にタバコが伝来したのは、「戦国時代頃」だといわれています。
当初は嗜好品ではなく、薬品として入ってきたのですが、江戸中期頃からは、浮世絵などにもよく見られるようにキセルを使った喫煙が一般的になっていきました。
比較的歴史が短いということもあり、日本ではタバコに関する言い伝えというのは少ないのですが、「山の中での魔除け」として、タバコを使うというものがあります。
これは、タバコの煙を獣がいやがることが由来となっているようです。
精霊が好むとは正反対のようですが、生物学的に考えると、こちらほうがある意味、理にかなっているような気がします。
煙でネガティブエネルギーを浄化
スピリチュアルな観点からみた場合、タバコには、独特の作用があるとされています。
それは、「タバコの煙がネガティブなエネルギーを吸着する」というもの。
身体の中の邪気などもすってくれるので、タバコを吹かすことで、自分を浄化し、また煙を吹きかけることで、「自分によってくる邪気を祓う」ことができるというのです。
「煙によって邪気を浄化する」といえば、スピリチュアルな世界では「ホワイトセージ」が有名ですが、もっと身近なものとしては、お寺で線香の煙を悪い場所にかけるというものもありますので、タバコに限らず、「煙に浄化の力が存在している」というのが正解かもしれません。
現在のタバコは、さまざまな物質が添加されており、確認されているだけでも、煙には「4000種類以上の化学物質」が含まれているといわれています。
こうしたことを考えると、かつてはスピリチュアルなものだったタバコが、健康を害するものとして、この世から無くなっていくのは仕方のないことなのかもしれません。
Tobacco is a tribute to the gods.
Tobacco have Spiritual power.