朝晩は冷え込み、木々が色付き始めたイギリスです。

数年前、こんな美しい季節に私はイギリスに引っ越してきました。しかし、当時は季節を楽しむ余裕もなくイギリスに慣れることに必死。そんな余裕のない私に、とても親切にしてくれた近所のご夫婦がいらっしゃいました。

そのご夫婦、ジムとヴィッキー。

様々な人を見てきましたがこれほど仲のいいカップルがいるのか、と驚くほど二人はいつも仲がよく結婚して４０年を過ぎてもなお、お互いを認め尊敬し合っている二人。その仲の良さは周りにいる私が照れてしまうほどです。

ジムは学校の校長先生、ヴィッキーは司書をしていて、いろんな仕事をしたけれど今の仕事が天職だと思う、と情熱を傾けていらっしゃいます。
仲間に囲まれいつもおだやかな二人、私と夫は二人を知るにつれ二人の幸せの秘密をさぐりたくなりました。ある日、私は尋ねました。
「そんなに夫婦仲がいい秘訣はなにかしら？　二人の幸せそうな秘密はなに？」
するとジムは
「うーん、いろいろあるけれど昔、夫婦で行ったホフマンプロセスっていうものがあってね、これは僕たちの人生を大きく変える出来事だった」

ホフマンプロセス？　それは何かと聞く私たちに
「あまり詳しくは話せないんだよ。詳細は言ってはいけないことになってるんだ。でも興味があれば調べて参加してみればいい」
と教えてくれました。夫と私はホフマンプロセスについて調べ始めたのでした。

芯から癒すホフマンプロセスとは？
そして一週間のプロセスに挑戦

ホフマンプロセスとは1967年に設立された、一言で言えば人々が抱える問題を解決し癒す施設です。
ネガティブな思考パターン、幼少時からのトラウマ、対人関係、自己愛に問題を抱えている人を対象に一週間、大自然の中にあるリトリートセンターであらゆるメソッドを使いそれらの問題を感情、知性、肉体、精神のレベルで大きく前向きに解決していくことを行っています。
このメソッドは各分野からの専門家により考案されており、1週間の滞在中は各種ワークショプや様々なアプローチをするセラピー、カウンセリングを受けるそうです。

イギリス　ホフマンリトリートセンターから見える景色

多くの有名人が参加していることでも有名で、すでに世界各国96,000人が受講しています。アメリカに本部がありオーストラリアなどにもあります。
イギリスにはこのようなリトリートセンターが多くあります。スピチリュアリティを多く取り入れている施設、滞在費は本人の募金で賄う施設など様々です。
早速、興味を持った私と夫はホフマンプロセスの資料を取り寄せ、夫が今年3月ホフマンプロセスに参加しました。
夫は普段穏やかなのですが、幼少時より両親から受けたトラウマに長年苦しみ、時に当時の怒りや悲しみをコントロールするのが難しいと感じていました。私もホフマンプロセスで解決できるなら、との思いと実際どんなことをしてくるのかとの興味で夫を送り出したのでした。

すごくスピリチュアルだった
ホフマンプロセス体験

winnieは夫のニックネーム。子供達と飾り付けをして夫の帰りを待ちました。

ホフマンプロセスから帰ってきた夫は興奮している様子でした。
しかし、ジムと同様、そこで何をしたのか、やはり詳しい内容は教えてくれません。でもとても充実した時間であったこと、親への怒り、悲しみを解放したり自分の問題をみつめたりするワークショップを多くこなしたようです。
一番興味深かったのは夫が「自分のスピリチュアルガイドと対話した」と言いだしたこと。
夫は全くスピリチュアルに興味がなくむしろ嫌疑的だったのでこの発言にはびっくり。 他にも多くのスピリチュアルな体験をした、理論的なカウンセリングやワークショップの他に自分を癒すにはそういったスピリチュアルな面からのアプローチも必要だとわかった、と教えてくれました。

静かな部屋でワークショップは進みます。

2015年9月、ホフマンプロセスを体験して半年が経ちました。夫に変化はあったのか。
夫の親との関係に劇的な変化がありました。今までは親の言うことに食いつき、幼少時を思い出して苦しんでいた夫ですが
「もうどうでもいい。好きとか憎いとかじゃない。何を言われてもあっちの人生。僕は僕の人生。」
と完全にスルーできるようになりました。
社会的には十分独立している夫でしたが、精神的に親の支配下にない自分の人生を歩みだしていると感じます。そして、目に見えないスピリチュアルな世界、ホリスティックな治療への理解が進みました。本当に行って良かったのではと感じています。
ホフマンプロセスの調査によるとホフマンプロセスを受けた人の97%がその後の人生が改善しよりよく生きるようになった、と回答し83パーセントの人がパートナーとの関係が改善したと答えています。

１週間日常から離れて、プロのカウンセリング、ワークショップを通してじっくり自分を見つめ直す。家族や仕事があるとなかなか簡単にできることではありません。とても贅沢な休暇の取り方ですね。でも、何より大事なのは自分。
今回はホフマンプロセスを紹介しましたが、こういった自分を大事にし、自分をしっかり癒すことができる団体や施設が日本にもどんどんできていったらいいなあ、と今回の経験で感じたのでした。

ホフマンプロセスホームページ
http://www.hoffmaninstitute.org
ホフマンプロセス　UKホームページ
http://www.hoffmaninstitute.co.uk

前回の記事はコチラ：
日本人がまだ知らないイギリス☆ スピリチュアル体験記 Vol.1　国民に愛されるスピリチュアルチャーチ