日本だけじゃなかった、幸運の前触れ茶柱の秘密

これから暑い季節になります。そういう時こそ、冷たいお茶よりも温かいお茶を飲んだ方が健康の為にもメリットが多いので、茶柱を楽しみににしつつ、暖かいお茶をゆっくりと飲んでみるというのはいかがでしょう?

【急須でお茶をいれていますか?】

最近は、「急須でいれたお茶を飲む」という習慣は廃れてきたように思えます。お茶を飲むといっても、手軽な「ペットボトルのもの」があるためかもしれませんが、昔ながらの入れ方にも多くの良さはあります。

 

【縁起のいい茶柱。なぜ、幸せをもたらすの?】

(写真提供・ウィキペディア)

(写真提供・ウィキペディア)

 

そんな昔ながらの入れ方をしたお茶を飲むときの楽しみのひとつが「茶柱」。あまり、お茶を飲まないという人でも、「茶柱が立つと縁起がいい」というのを知っていると思います。とはいっても、なぜ茶柱が立つと縁起がいいのかをご存じでしょうか?

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実は茶柱の起源というのは、はっきりとわかっていません。最もスピリチュアルなものとしては、「柱」というものが神聖視されており、それがお茶の中に現れるために幸運が招かれるというものです。日本の文化では、「柱というのは重要な意味」を持っています。神様を「一柱、二柱」と数えることからもわかるように、「天と地を繋ぐ力の象徴」なのです。また、「大黒柱」という言葉もあるように、「物事の中心であり重要なもの」ともされてきました。そのようなものが、不安定なお茶の中に現れるわけですから、確かに幸せを招いてくれそうな気がします。

 

【実は茶柱は販促戦略だった!?】

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反対にとっても「即物的な理由」もあります。それはお茶屋さんによる「販売促進戦略であった」というもの。一般的に高級なお茶は「一番茶」と呼ばれます。これは新芽の一番良いところを使って作られるものですが、新芽を取ったあとにも、お茶の木は新しい葉をつくりだします。こちらは、質が落ちることもあって「茎も含めて採取」されます。つまり、「茶柱が立つお茶というのは、二番茶だけ」となるわけです。そのために、「安いお茶でも買って貰えるように茶柱が立つと縁起がいい」という話を作り上げたのです。「バレンタインデーや恵方巻きの流行」を考えると、この説にもなかなか説得力があります。

 

【茶柱と男女の関係とは?】

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恵方巻きといえば、海苔問屋によるセールスという説以外にも、「遊郭が発祥」という説も根強く存在しています。こちらは、海苔巻きを男性のものに見立てて、それを食べる女性を見て楽しんでいたというもの。実は、茶柱にも似たような遊郭起源説があります。こちらは、「お茶を女性、茶柱を男性に見立てて、茶柱が立つということは、お客さんが来るという意味」となり、遊女にとって商売繁盛という意味で縁起が良かったというわけです。このような色っぽい説は説得力があるように見えますが、「興味本位で後付されやすい」ので、信憑性の面ではなんともいえません。

ただし、このような男女関係と茶柱結びつけた説は、実は「海外にも存在」しています。基本的な素材が同じ紅茶にも茶柱がたつことがあるのですが、この場合、「堅めの茶柱だと男性の来客があり、柔らかめだと女性の来客がある」といわれています。また、女性限定ですが、「茶柱が立つと背の高い美形と出会える」というものもあります。遊郭説ほどセクシャルではありませんが、性別と関連づけているところは興味深いといえるでしょう。

 

【奇跡的な確率でおきる茶柱】

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純粋に「珍しい出来事が起こったから、なにかいいことがあるとされた」という説もあります。まず、基本的に茶柱が立つためには茎が混入する必要があります。さらに、茎が混入しただけでなく、「茎がほどよくお湯を吸い込み、下部だけが沈んだ状態にならなければ茶柱は立ちません」。茎は、どんどんお湯を吸い込んで最終的には沈んでしまいますので、「様々なタイミングが奇跡的に成立することで、はじめて茶柱は立つ」のです。奇跡的なことが起きたので、これからもなにかいいことがあると考えるのは納得できます。ちなみに、韓国ではこの説を重視して、茶柱を縁起が良いとしているようです。

さまざまな、理由を紹介してきましたが、皆さんはどれがもっともしっくり来るでしょうか? これから暑い季節になります。そういう時こそ、冷たいお茶よりも温かいお茶を飲んだ方が健康の為にもメリットが多いので、茶柱を楽しみにしつつ、暖かいお茶をゆっくりと飲んでみるというのはいかがでしょう?