終わり方を決めておく~自分が本当に必要なものを受け取る方法~

わたしたちは、日常生活を送ることで精いっぱいで、立ち止まって〈終わり方〉を意識することなんて、何かの機会がなければできないことだと思います。

生きることの〈考え方〉のヒント

わたしたちは、生まれた瞬間、死に向かって歩いている。

当たり前といえば当たり前だが、
「死に向かって生きている」
と考えること自体がネガティブで、
終わりを考えるよりも、今をよりよく生きることを注力していたい、
と考えていました。

ところがこれは捉え方の問題で、こんな考え方もあるんだよ~
という、考え方の〈ヒント〉を与えてもらった取材でした。

 

今をよりよく生きるための生前整理

今回取材させていただいたのは、愛知・岐阜を中心に生前整理セミナーを展開している
(株)グラシアス 水野久美子さん

(株)グラシアスは、岐阜県多治見市でハウスクリーニング・家事代行・整理収納サービスを提供している。
その業務は遺品整理・生前整理にまで波及

主に現場に向かっている水野さんは、様々なお宅に伺っている中で、
【思い出のもの】がスペースを占領して生活に支障をきたすおうちがたくさんあることに
気付きました。

普通のお片付けであれば、
「要る」「要らない」
「使っている」「使っていない」
などの簡単な処分の選択肢なのですが、
「〇〇さんからもらった物」
など、〈思い〉があって捨てられない……
という物は、使わないけど捨てられなくて、それが生きてきた年数に比例して増えていく。
そして生活スペースを脅かしていく……

家の中にある思い出のものを整理していくことは、「人生」を整理するのと同じで、
ついでに心の中や自分自身の情報を整理していくことで、これからの人生をより輝くものにしていくことができるのです

そもそも、生前整理とは、自分の死後に残された家族が、相続問題などで苦労しないように
自分が死んでしまう前に自分や家族の財産や持ち物を整理しておくことを言います。

いつかやらなくては、と思っているのだけど
なんとなく人生っていつまでも続くような気がしてしまって、
ついつい後回しにして、何となくそのまま現状を過ごしてしまっている。
という方が大半ではないでしょうか?

ところが人生というものは、いつ終わりが来るかはわからない。
今日終わってしまうかもしれない。
その時〈後悔〉として残ってしまう。
そうならないように
「今自分が亡くなったときに、周りに不安をさせることって何なのか?」
を考えて、きちんと自分の情報を書いておく、伝えておく、ということをすることをして
〈最後〉をきちんとみつめると、
なぜかしら〈今〉を考えることにつながり、
もっと具体的に〈今〉を生きていけることにつながるのだそうです。

生前整理っていわゆる終活の一環のイメージでしたが、
20代、30代の若い世代にでも必要と言えるでしょう。
「最後のことを考えながら今を全力で生きる」
ということを取り入れるのと取り入れないのとでは、人間力の差が歴然と広がるのです。

 

自分が本当に必要なものを受け取る方法

水野さんの生前整理セミナーでは、
〈自分の葬儀のプロデュース〉
なんていうワークも行います。

どんな形式の葬儀で、
どんな写真で、
どんな音楽で、
どんな花を飾ってほしいのか、
……極めつけは

どんなふうに自分を紹介してもらいたいか

などを細かくイメージすることは、
実はこれからどうやって生きていくのか? につながるのです。

つまり、この世を去る最期に「どんな人生で幕を閉じたいのか?」を考えると未来の自分からメッセージを受け取ることができるという仕組みがあるわけです

わたしたちは、日常生活を送ることで精いっぱいで、立ち止まって〈終わり方〉を意識することなんて、何かの機会がなければできないことだと思います。

今を具体的に生きるには終わり方を決めておく

そう聞いたら、日常生活に少しゆとりをもって過ごしていけるのではないでしょうか?
環境も心もスペース(ゆとり)が必要なのです。
スペースがないと、タイミングを逃したり、受け取れなかったりして、本当に必要なものも
引き寄せられないですものね。

そのためには、モノ、ココロ、情報をしっかり整理しておくことが必要なのです。

取材協力
(株)グラシアス
http://www.gracias.rodeo-dr.jp/

 

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