抗がん剤は善か悪か?
今日は、筆者が講師業でお世話になっている、レンタルスペースのオーナーのお話です。
オーナーがレンタルスペースを始めたいきさつとしてキーワードとなっているのは<ガンを克服した体験>でした。
日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡している時代。
もはや他人事ではないし、今現在闘病している多くの人に、この思いを伝えたい。
筆者はその思いに共感し、今回インタビューをさせていただきました。
筆者自身は、整膚師・ヒーラーという職業柄、どちらかというと東洋医学に偏った考え方をしていました。
抗がん剤は悪、抗がん剤は毒、自分の免疫力で克服できる可能性をわたしたちの肉体は持ち合わせていると。
……しかし、それは癌になっていない人が軽々しく言う言葉ではありませんでした。
がんサバイバーの生の声を聴いて愕然としました。
レンタルスペースオーナーの伊佐次さんは、3人の男の子のお母さん。
今から8年前。
一番下のお子さんがまだ幼稚園に通う38歳の時、下腹に感じる違和感を子宮筋腫と誤診され続け、極限の痛みに耐えかねて、別の病院で詳しく検査した結果、卵巣がんステージ3。
リンパまで転移していたことがわかった。
誤診の訴訟どころではなく、一刻を争う命の選択をしていかなければならない緊急事態。
病院の治療方針は、卵巣の病床を取り除いてから、全身に広がった転移を抗がん剤で叩く というもの。
8年前でもがんに関する情報はいろいろあり
『手術をしてはいけない、抗がん剤を使ってはいけない』
『温熱療法、びわ温灸がいい』
などの見聞きした情報が伊佐次さんの頭をよぎったが、全身に広がりつつあるガンに対しての緊急性のある処置は、抗がん剤以外は考えられなかった。
しかし、伊佐次さんは症例の少ない卵巣がんであったため、
一般的に使われる組み合わせの抗がん剤でアレルギーが出てしまった
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違う組み合わせを試すと、今度は効きすぎて白血球の数値が下がってしまった
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白血球の数値を上げる注射を打つ
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その繰り返しを6ヵ月行った
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6か月後CTを撮っても状態は何も変わっていなかった。
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じゃあ、次の薬を試しましょう、と病院から打診
ここで、筆者は質問した
「人体実験をされている感覚は無かったのですか?」
すると、伊佐次さんはとんでもない!
といった感じで否定した。
「もしそれが、実験だとしても、実験で治るならどうぞわたしの体を使って、と思った」
そして薬を変えて3クール目で腫瘍が消えた。
一つの抗がん剤が認可されるまで、たくさんの人が犠牲になっているのは事実。
治験で何人もの症例の効果のデータで、次のがん患者に適用される。
みんなの希望も入った<命が詰まった抗がん剤>なのだ。
抗がん剤とは善でも悪でもない
上手に付き合いたいもの、とまとめられた。
心が何よりも大事
しかし伊佐次さんは、手術と抗がん剤だけでガンを克服したわけではない。
入院中、絶望の淵に立たされ、心が壊れそうになり、窓から飛び降りたい衝動にかられたこともあったけれど、生存率1%でガンを克服した人の本を取り寄せたりして、なんとかして生き延びる方法を模索していた。