金木犀~月に咲く花が持つ女性に嬉しいいくつもの効能

月を美しく彩り、そこから落ちてきた種が地上で育ったという逸話をもっているその植物とは「金木犀」。奇しくも月と同じように秋の風物詩ともいえる花です。

【月には大木が生えている】

めっきり秋の風情が漂ってきた今日この頃。秋といえば、「中秋の名月」というように「月が美しく見える時期」です。

そんな「月に大きな木が生えている」という伝説があるのをご存じでしょうか?

月を美しく彩り、そこから落ちてきた種が地上で育ったという逸話をもっているその植物とは「金木犀」。奇しくも月と同じように秋の風物詩ともいえる花です。元々、月に金木犀が生えているというのは、中国で伝えられてきたものです。

 

【月の女神の踊りが地上に金木犀をもたらした】

それによると、中国で月の神として信仰されている「嫦娥」という「仙女」がいました。彼女は元々は人間だったのですが、不老不死の霊薬を飲んだことによって、月へと登り、そこで仙女として暮らし始めたことで、「月の女神となった」のです。そんな嫦娥が月の宮殿から下界を見下ろしていたとき、地上では反対に多くの人々が中秋の名月を祝って宴会をして、月を見上げていました。

そんな、宴会の光景を見ていた嫦娥は、宴会の楽しそうな雰囲気と、観月の名所の美しさにつられて、「月で踊りを踊り始めた」のです。それをみていた、彼女の夫が月に生えている金木犀を叩いて、リズムをとったところ、その衝撃で金木犀の種が地上へと落ちてきて、それが「地上に生えている金木犀の起源」になったといわれています。

 

【月で木を切り続ける男】

ちなみに、この話にでてくる嫦娥の夫は「呉剛」という名前だとされていますが、彼には別の逸話もあります。それによると、「金木犀は元々は地上にあったものが、月へ運ばれた」という逆のパターンになっています。

こちらは、貧しい木こりだった呉剛を月に住む天女が哀れに思って、特別な金木犀を生やしてあげたものを、だんだんと調子に乗った呉剛が、金木犀をすべて切り倒してしまおうとしたことに怒って、金木犀を月の宮殿まで運んでしまったというのです。

このときに、金木犀と一緒に月に連れてこられた呉剛が、懲りずに木を切り倒そうとするのですが、月の宮殿の金木犀はすぐに元に戻ってしまうために、永遠に呉剛は木を切り続けているというのです。

この「永遠に木を切る男」というのは、日本でいうところの、「餅つきをする兎」のようなものです。元々はそちらのイメージがあり、それに付随して色々な話が生まれたようです。なので、呉剛は仙術を学んで仙人となったものの、師匠から罰を受けて、永遠に月の宮殿に生えている、「高さ1.5㎞もある巨大な金木犀」を切り続けているという説もあります。

こちらの金木犀は地上ではありえない巨木であり、これだけ大きければ地球にまで種を落とすのも当然といえるかもしれません。

 

【満月の美しさは金木犀のせい】

また、この巨大な「金木犀の大木に花が咲くと月が満ちて」いき、満開になった時が満月となりるという言い伝えもあります。

あの美しい月の色を、古代の人たちは金木犀の花が満開になったものだと考えていたわけです。

 

【金木犀が持つ女性に嬉しいいくつもの効能】

そんな月に生えている木というだけあって、金木犀のあのかぐわしい香りには、女性に嬉しい様々な効能があります。その中でも、もっとも注目されているのは「ダイエット効果」。

食欲を促す物質といわれている「オレキシン」というタンパク質は、「金木犀の香りによって減少する」ことがわかっています。つまり、お腹が減ったと思ったならば、金木犀の香りをかげばいいわけですので、ダイエット中の女性には嬉しい力といえるでしょう。

他にも「ストレスや不安を軽減させるリラックス作用」や、「精神安定作用」もあるという金木犀の香りですが、その効能の多さから、「潜在能力を引き出すこともできる」といわれています。

月というのは、スピリチュアルな世界では「潜在的な力の象徴」ともされますので、金木犀の香りが潜在能力を引き出すというのは、あながち間違った解釈ではないかもしれません。

これから、ますます金木犀の香りをかぐ機会が増えてくると思いますが、そんなときにはしっかりとその香りを感じて、そこに込められた月のエネルギーも一緒に味わってみるということをオススメします。

 

Blooming flowers on the moon.
Osmanthus has many power.

 

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