■免疫を高める食品選び〈17〉~アーユルヴェーダにおける肉の薬効 part.4~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.99

肉を使わない場合の代わりの対処法として、ドクタージョンは、一日3回、乳清、エンドウ豆、米、または麻のタンパクパウダーシェークを、それぞれの食事時にとることをすすめています。

ここのところ、ダイエットにいいとされ人気のある食事法の類いは、食事の中に動物性のタンパク質の割合を多く設定することを促す傾向が強いため、結果として糖尿病になる人を増やしてしまっているというなんとも皮肉な結果があるかと思えば、

その両極ともいえるヴィーガンやベジタリアンといった食事法も注目を浴びつつも、タンパク質不足になりやすい傾向があり、

結局はどちらの両極も、私たちを不健康にしかねないことについてこれまで触れてきました。

そして、後者が陥りがちなタンパク質不足をテーマに、前回からお伝えしていますが、今回はその具体的な解消法について、ご紹介したいと思います。

 

◎《そもそも、タンパク質の役割って何?》

タンパク質は私たちに、安定した気分やエネルギー、神経系のサポートを供給してくれる大事な栄養素です。

自然界では、冬には自然に、私たちの体を再建するタンパク質が豊富に含まれた酸性の食べ物(穀物類、根菜類など)が実ります。

冬の間それらの酸性の食べ物を多くとることで、私たちの体は丈夫になるように助けられます。

また、春や夏には、自然界にはアルカリ性の食べ物が多く実り、その時期に私たちはこういったアルカリ性のものを多く食べることで、体は自然に洗浄、浄化されます。

つまり、自然界でもともとスケジュールされているサイクルで実るものを素直に食べておけば、私たちの体は自動的に健康バランスがとれるようにできているわけですね。

野菜や果物が、旬の時期だけでなくほぼ年中手に入るような現代の便利の暮らしでは、一体どの野菜や果物が本来どの時期に実るものなのかなど、さっぱりわからなくなっています。(ちなみに私はインドで暮らすようになるまで、果物や野菜に旬の時期があること自体をすっかり忘れていました)

これもまた、現代人が自然との調和を忘れてしまうことになった大きな理由のひとつなのではないかと思います。

(根菜類はグランディング効果バッチリ)

 

◎《赤肉を薬として使った、タンパク質欠乏解消法》

アーユルヴェーダでは、タンパク質不足の場合、患者に赤肉を食べるように処方するケースがあります。

なぜ赤肉を使うかというと、赤肉はすべての肉類の中でも最も酸性が強く、成分のほとんどすべてがタンパク質でできているからです。
つまり、タンパク質の塊。それが赤肉というわけです。

物質というものは、酸性度が強ければ強いほど、身体組織に深く浸透し、よりよく貯蔵されるといわれています。

一方、アルカリ性の食べ物は、身体組織への素晴らしい洗浄剤のような役割を果たし、リンパを洗浄したり、体の解毒を助けるといわれています。

このため、食事がよりアルカリ性であればあるほど、体から効率的に毒素やゴミが除去されるというわけです。

一方、酸性が強い食べ物であればあるほど、解毒は容易ではなくなります。
こう聞くと、酸性の食べ物はまるで毒のある食べ物のように連想してしまいがちですが、ようはバランスの問題で、実際、酸性の食べ物の多くは、食べ方次第でとても健康に役立つ必須の食べ物でもあり、バランスをとるための自然な方法でもあるのです。

さて、前回お伝えしたタンパク質不足のサインに心当たりがあった方は、次のタンパク質を作り上げなおす方法を試してみてください。
血糖を安定させるひとつのテクニックとなります。