■免疫を高める食品選び〈12〉 ~食事をとる時のヒント・何をどう食べる?~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.94

さっそく今日からトライしてみてはいかがでしょうか。

前回までは、体調不良やアレルギーの原因となることがあり、さまざまな胃腸関連の問題を引き起こす要注意食品とされるもののひとつ、小麦のグルテンについて、アーユルヴェーダ的な見方をお伝えしてきました。

特に現代の先進国では、季節に関係なく、食べたいものが365日ほぼスーパーに並び、簡単に手に入り、さらには保存もきく便利さ、快適さへの代償についても触れました。

さて、日本や西洋では、どのようなもので構成された食事をとるのがベストなのかといった、「何を食べるか」が重視される傾向が強く、アーユルヴェーダでもまた、この「何を食べるか」ということが大事な要素となっている一方で、日本や西洋では無視されがちな別の要素「どのように食べるか」という側面についても、かなりの重要性をおいています。

つまり、普段からいいもの(オーガニックなものや長時間かけて丁寧に手作りされたフレッシュな食べ物)を食べることに越したことはないのですが、一日でどの時間にどんな風に食べるか。といった要素も、私たちが日々、体調を維持したり、活動のためのエネルギーをより多く得て充実して暮らすために必要だというわけです。

今回はこの「どのように食べるか」について、アーユルヴェーダから知恵を拝借してみたいと思います。

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★食事をとるときのルール

私たちは日々、忙しさからついつい急いで食べたり、動きながら、あるいは運転しながら食べたり、一日を通じてちびちび間食したり、夜遅い時間に何かをつまんでしまいがちです。
また、一年を通じて同じものを食べ続けたりもしています。

アーユルヴェーダでは、私たちが「いつ」「どのように」食べるかが最も重要なこととし、それに加えて、季節に合わせて食べるものを変え、昼間と夜の24時間サイクルに同調させた食事のとり方をすることをすすめています。

(食事の中に6つの味を含める)

 

とった食事を効率よく消化し、また消化力を改善するためのヒントは、主に次のようなものです。

《正午にメインの食事を食べる》
一日の中で、最も消化力が強くなる時間帯は正午です。夜間は弱くなります。
昼食をその日の一番大きな食事にしてとり、夕食は出来る限り早めに、軽いものだけをとりましょう。間食は一切なし!

《食べる前は、胃、膀胱、腸が空の状態であること》
一日3食食べて間食をとらない。が基本ですが、一日2食でも十分に満たされる場合は、それでもOKです。実際に空腹になったときにだけ食べるのが基本です。

《主に植物ベースのものを食べる》
食事は、最小限にしか加工されていないものか、完全に加工されていない自然の形のままのものを料理して食べます。必要に応じて、少量の肉(食事全体のわずか10%程度の量)を加えてもかまいません。

《食事と食事の間に、食べ物が欲しくなったら、まず水を飲む》
間食・軽食に手を伸ばす前に、水を一杯飲みましょう。研究では、食事と食事の間に感じられるこういった渇望は、実際には体は水を欲しがっていることが多いことがわかっています。

《あらかじめ胃を水分補給しておき、最適な消化に備える》
一日3食、それぞれの食事をとる30分前に、水を飲んでおきましょう。
こうしておくと、消化と体重減少を促進させます。

《食事は、スープかお湯と一緒にとる》
食事の間、食べたものが胃の中で程よくドロドロになりやすいように、お湯か温かいスープと一緒にとります。これは食べたものの消化をスムーズにします。

《食事の間、氷入りの飲み物をとらない》
消化液が薄まり、消化の効率が下がってしまいます。

(ダメダメルールその2「食事中の氷水」)

《イライラしているときに食べない》
怒ったり気が散っているときに食べると、消化が妨害されます。
リラックスして座り、ゆっくりと食べましょう。

《動きながら食べない》
料理をすべてテーブルに並べた後に、ゆっくりと食事をとりましょう。
一度座ってからまた立って料理を取りに行く。という動きながらの食事はできるだけ避けます。

《「いただきます」「ごちそうさま」の儀式》
私たち日本人は、これを伝統的に、何気なくやっていますが、これは立派な「食事への感謝」の儀式といえます。研究では、こういった食べるものに敬意を払って体に取り入れる儀式は、実際、消化改善に繋がることが報告されています。

《心地よい人と食べる》
ビジネスランチまたは夕食は最悪(!)

《残り物を食べない》
残ってしまったものは、24時間以上は保存しないようにしましょう。

《6つの味すべて(甘味、酸味、塩味、苦味、刺激味、渋み)を含める》
食事の中に、これらの6つの味を組み合わせて食べるととてもバランスのとれた食事となります。

《ヨーグルトやチーズを夜に食べない》
こういった乳製品類は消化が悪いので、食べるなら昼間のうちに食べておきましょう。

夕食後から翌朝の朝食まで、13時間あける》
この13時間断食は、とても健康的な減量テクニックになります。
また、血糖値を健康にし、脂肪代謝をリセットすることをサポートすることが報告されています。

《食べた直後の5~10分間は、ゆっくり休む》
もしできるようなら、左側を横にして横たわります。
これは消化改善を助けます。

……さっそく今日からトライしてみてはいかがでしょうか。

 

《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
https://www.el-aura.com/writer/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3/?c=73188

 

(トップ画像/ダメダメルールその1「運転しながら食べる」)