アーユルヴェーダで使われてきたハーブたち~ローズの花びらのさまざまな効能。《後編》~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.72

ローズは、体と心のバランスを崩しやすいストレスの多い現代社会を生きるための、優れものお助けハーブ。

 

★★本格的なローズウォーターの作り方

《必要なもの》:

市販の新鮮な生のローズの花びら 適量
(どんな色のものでも構いませんが、一般的には薄いピンク色や赤い色のものが使われ、農薬や殺虫剤のついていない野生のバラが一番理想的です)

ミネラルウォーター(またはきれいな水)

(やや多め)

用具:

フタつきの大き目の鍋。または大きな鍋の上にのせてフタがわりに使える厚
手のガラス製のお盆やグラタン皿のようなものをフタかわりに使ってもOK。

鍋の中に入れる小さな器(ガラスまたは陶器製のもの) 2つ

《作り方》:
1.ローズの花から花びらをつみ、丁寧に水洗いした後、ザルにとり水切りし、30分ほど乾かしておきます。

2.鍋の中央にひとつめの器を逆さにして置きます(後ほどこの器の上に、さらにまた違う器をのせます)。器の周りに花びらをちりばめるようにして置きます。

3.花びらの上からミネラルウォーターを注ぎます。(水の高さは器のラインぎりぎりか、少し下のラインに抑えます)

4.鍋の中央に置いた器の上に、蒸気を集めるための別の器をさらに置き、フタを裏返しにした状態で鍋の上に置き(この時、フタと鍋の中の器の間に空間ができる必要があります)、加熱します。

5.湯気が出始めたら、裏返しの状態で置いたフタの上に氷をのせて蒸気を冷やします。この時、冷えた蒸気は少しずつ、鍋の中の器にたまっていきます。

6.蒸気が器の中にある程度たまったら、フタをあけて取り出し、別の容器に移して冷まします。

7.花びらと水を足し、欲しい量のローズウォーターが出来上がるまで、同じプロセスを繰り返します。

9.出来上がったローズウォーターは、ガラス瓶の中に入れて保存するか、アトマイザーなどに入れて使います。(出来上がったローズウォーターは冷蔵保存で3ヶ月程持ちます)

 

★ローズウォーターの作り方、参照動画

 

【効果的な使い方】

〈お肌に〉:
ローズウォーターは、お肌のpH値のバランスを回復させ、毛穴を引き締める収斂効果があるので、お肌の保湿剤としてはもちろん、メークなどのクレンジングにも使えます。
ローズウォーターを常用することで、お肌の透明感がアップし、またニキビやシワなどのお肌のトラブルを予防・治癒し、肌全体の老化を遅らせることができます。
一日数回、お肌にシュッシュ。しましょう。

〈目のケアに〉:
コンピュータワークなどで疲れた目は、ローズウォーターで即効リフレッシュ。
コットンにローズウォーターを浸し、寝る前に閉じた瞼の上に15分程おいて目を休ませましょう。

〈頭皮と髪に〉:
ローズウォーターは、頭皮のフケや炎症を取り除くためにも活用できます。
また、乾燥した髪や絡まった髪に、アトマイザーでシュッシュと霧吹きすれば、髪が柔軟になり扱いやすい状態にできます。

〈歯と口臭ケア〉:
なんと、ローズウォーターは歯関連のトラブルにも効果を発揮します。
歯茎の炎症の消毒剤として、または口臭防止のためのマウスウォッシュとしても使えます。

***

以上、ローズレシピ2品をご紹介させていただきましたが、
ローズの繊細な花びらがもたらす冷却効果は、私たちの気分を支配し、心臓へ影響を与えるといわれるピッタ(サダカ・ピッタ。体の中に存在するピッタのひとつ)にバランスをもたらし、心と身体のバランスをとる効果があるといわれています。

(ローズ入りインドのスイーツ「グラブジャムン」)

ローズは、体と心のバランスを崩しやすいストレスの多い現代社会を生きるための、優れものお助けハーブ。

是非、日々活用してみてはいかがでしょうか。

 

《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
https://www.el-aura.com/writer/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3/?c=73188

 

(トップ画像/乙女な味のグルカン入りアイスクリーム)