アーユルヴェーダで使われてきたハーブたち
~胃腸を強化し、浄化する伝統ハーブ・トリファラ
~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.67

ここのところ、インド生活を送る中で出会ってきたさまざまなハーブについてひとつずつご紹介していますが、今回はその三つ目、アーユルヴェーダにおいて何千年もの間、伝統的に使われてきたハーブ調合薬のひとつ「トリファラ」について、数回に分けてご紹介したいと思います。
アーユルヴェーダで使われてきたハーブたち<br>~胃腸を強化し、浄化する伝統ハーブ・トリファラ<br>~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.67

◆まるで泥水? の味の万能薬、トリファラ

インド生活を送ってきて、今振り返ると良かったと思えることは、それ以前よりも、自分の勘や感覚を信じて頼りにできるようになったことと、味や香りについて許容範囲が増え、寛大になったことです。

自分の勘や感覚を信じれるようになった背景には、「皆がこういっているからこう」といった常識のようなものが、インドに限ってはなく、人によって言っていることがてんでバラバラだったりするので、何が本当で何が嘘なのかが人の話を聞いているだけではわかりにくく、結局自分で確かめるしかなかったからなのですが。

「何か腑に落ちないことや胡散臭いことがあれば、まず自分で調べてみる」という習慣が自然に身についたのは、インド生活のおかげといえるかもしれません。

今思えば、私自身、人を疑う必要もあまりなく、物質的にも何不自由ない便利な生活を送っていた頃の日本の環境では、普段生活をしているだけでは決して育たないような類いの本能を目覚めさせる必要性が、インド生活の中ではありました。

そういう意味で、インド暮らしの面白さというのは、ある意味野生の自分に還っていく面白さ、今まで知らなかった自分に出会っていく面白さだったのかもしれません。

というわけで、「自分の感覚で確かめてみる」ことは、ハーブを使う上でも多いに役立ちました。

また、味や見た目といった表面的なものにあまりこだわりがなくなったせいか、人によっては「まずくて飲むのがつらい」という声が聞こえてくるこのトリファラについても、「まあ……、おいしくはないな」と感じながらも、はじめから違和感なく、するりと飲めた口でした。

消化力が弱っていたり、体全体の代謝が落ちていると感じたり、当時ストレス食いでたっぷり食べ過ぎてしまった後などに、食後の消化促進剤として愛飲していたこのトリファラ。

トリファラをとると、消化の早さが違います。

また、胃腸の汚れをゆっくりと、まるでタワシのように擦り洗いしてくれるので、便秘のときはもちろん、胃腸をデトックスしたい時にもおすすめです。

さて、具体的にトリファラはどんな調合薬なのでしょうか。

(インドのDabur社のトリファラパウダー)

 

■「母親が子供をケアするように、体内器官をケアするハーブ」

トリファラは、何千年もの間アーユルヴェーダで伝統的に使われてきたハーブ調合薬のひとつで、排泄プロセスをサポートする三つの果実(アマラキまたはアムラ、ビビタキ、ハリタキ)から構成され、消化プロセスの強化、栄養分の消化吸収同化、そして毒素を体から排除するように働きかけるハーブ薬です。(トリファラのトリは「三つ」、ファラは「果実」という意味)

アーユルヴェーダでは、「すべての退行性・慢性の病気の80%は、能率的でない消化や吸収、そして代謝が根本原因となっている。」

「もしも私たちが、食べるものを適切に消化吸収できなくなれば、体は、維持と再生のために必要となる栄養分を受け取れなくなる。このような消化不全を長年放っておけば、正常な身体機能を破壊させかねない毒素(アーマ)が出来上がる」

といいます。

トリファラは、穏やかな通じ効果や、腸の膜を元気付けて消化管の健康を高め、胆汁を刺激する効果、また、肝機能を改善し、血液浄化や蓄積された毒素の除去を助けるといわれています。

このような薬効をもつため、トリファラは今や世界的に有名なハーブ薬のひとつとなっています。

 

《トリファラの原料の三つのハーブ》

(左からハリタキ、ビビタキ、アマラキ)

 * アマラキ(アムラ)

腸の修復をサポートするハーブ。
ビタミンCがなんとオレンジの20倍!
伝統的に、消化管の炎症のために使われてきた、アーユルヴェーダの代表若返りハーブ。

 * ビビタキ

腸壁から古い粘液を引っ張り離し、消化吸収を高めるハーブ。
別名「病気を退けるハーブ」として、古代から使われてきた強力な元気回復ハーブ。
特に鼻づまりや痰など、粘液系によいといわれています。

 * ハリタキ

腸がより効率的に働くように腸の筋肉を強化するハーブ。
チベットでは「薬の王様」とも呼ばれているハーブで、特に心臓と脳にもいいとされています。

 

【トリファラの基本的なとりかた】

朝晩一日二回、あるいは毎食後、小さじ1杯のトリファラを150ccほどの熱湯に溶かして飲みます。

***

さて、このトリファラの効果は、胃腸だけに留まりません。
トリファラには他にもいろいろな使い道があり、結構奥が深いお薬なのです。

それらについては、また次回以降にひとつずつお伝えしていきたいと思います。

◎◎次回は、「ダイエット薬としてのトリファラ」です。

 

《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
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