鼻は脳へのゲートウェイ<2> ~アーユルヴェーダとアロマテラピー part.3~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.54

アーユルヴェーダでは、私たちは皆「体の中に小宇宙がある」と表現がされることがあるのですが、魂+体+マインドの統合体である私たちひとりひとりはまさに、自然の要素が複雑に絡み合って動いているミステリーな小宇宙なのです。

前回の part.2 では、ヴァータ不調に対応する精油についてご紹介しましたが、今回は残り二つのドーシャ、ピッタとカファの乱れを中和するために役立つ精油をご紹介したいと思います。

 

■『乱れてるのはどのピッタ or カファ?』チェック

それぞれ、該当するものをチェックしてみましょう。

《ピッタの不調》

★ピッタ1が乱れているときのサイン:

潰瘍、消化不良、胸焼け、嗜癖、渇望など。

⇒このピッタは、胃酸や膵臓の酵素に関係し、食欲や渇望、食物を砕いて栄養にしたり廃棄物にする働きを担う「パチャカピッタ」が乱れている兆候です。

◎このピッタの乱れのバランスをとる精油:

コリアンダー/クミン/ターメリック/フェンネル
ディル/ペパーミント/アロエ(精油ではなく、葉肉ジェルや葉汁)

★ピッタ2が乱れているときのサイン:

怒り、肝臓疾患、憎しみ、黄疸、貧血、肌の炎症、
血液疾患、低血圧など。

⇒肝臓の胆汁の中に存在している「ランジャカピッタ」と呼ばれるピッタが乱れています。このピッタは脾臓の中にあり、赤血球を生産するピッタといわれ、血液の化学反応を維持し、血液中に蓄積した毒素を燃やす働きを担います。

◎このピッタの乱れのバランスをとる精油:

サンダルウッド/ローズ/カモミール/レモンバーム
ラベンダー/コリアンダー/ニーム/ヤロウ/ターメリック
サフラン/ハニーサックル

★ピッタ3が乱れているときのサイン:

心臓発作、優柔不断、情緒障害。

⇒意識がある場所と考えられている心臓にあるピッタ、「サダカピッタ」が乱れています。このピッタは、充実感や勇気、自己信頼感、思考の明晰さと消化と関係しているピッタといわれています。

◎このピッタの乱れのバランスをとる精油:

カルダモン/ローズ/サンダルウッド/サフラン
ロータス/ヘナ/ガーデニア/ジャスミン

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★ピッタ4が乱れているときのサイン:

目の疾患、怒り、視覚に関連した不調、目の充血と炎症。

⇒目の中にあり、視覚を担うピッタ「アロチャカピッタ」が乱れています。

◎このピッタの乱れのバランスをとる精油:

カンファー/フェンネルなど

★ピッタ5が乱れているときのサイン:

ニキビ、炎症、物忘れ、痔、皮膚がん、発疹や湿疹、皮膚病全般。

⇒皮膚の中に存在するピッタ、「バラジャカピッタ」が乱れています。このピッタは、他人がどのように感じるかを認識する能力と繋がっているピッタといわれています。このピッタのバランスが取れている時は、肌は艶があり輝いています。一方、バランスが崩れている時は、肌に赤みや炎症が表れます。

◎このピッタの乱れのバランスをとる精油:

ヤロウ/カモミール/ペパーミント/コリアンダー
ラベンダー/ローズ