鼻は脳へのゲートウェイ<2> ~アーユルヴェーダとアロマテラピー part.2~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.53

普段使っているクリームなどに数滴混ぜて使ったり、 アロマポットで香りを楽しむのもよい方法です。

さて、part.2の今回は、さまざまなドーシャの不調別、効果的な精油と使い方についてお伝えしたいと思います。

なんだか体の調子が悪い……。
でも、どこがどう悪いのかよく分らず、医者に行くほどのことでもないようなそんな時。
精油を使ったヒーリングがおすすめです。

ところで、どのドーシャが不調になっているのか、だいたい目星をつけることができれば、より自分の体への理解が深まります。

体の中のドーシャ、ヴァータ、ピッタ、カファには、それぞれ五つの種類があるとされています。

今回はまず、三つのドーシャの中でも、一番、深刻な病気への関連性が高いとされる、ヴァータドーシャの不調をチェックしてみましょう。

そして、アンバランスを整えるために役立つ精油をぜひ活用してみてください。

(ここでチェックできることは、あくまでも一般的な目安になります。本格的に知りたい場合は、信頼できるアーユルヴェーダドクターの診察を受けることをお勧めします)

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■『乱れてるのはどのヴァータ?』チェック

該当するものをチェックしてみましょう。

★ヴァータ1が乱れているときのサイン:

不安、心配、脱水症状、激やせ、不眠、虚弱、ぜんそく
声がでない、しゃがれ声、結核、しゃっくり、空咳、老衰、
緊張による頭痛、呼吸が浅い

⇒このヴァータは、脳、頭、胸に位置する「プラーナヴァータ」として知られるヴァータで、ここの不調は、生命エネルギーの主源が乱れている兆候を現すといわれています。
このヴァータは、呼吸の吸う息と、食物を飲み込むための下向きの動きを担います。また、考えることや、感じる能力にも関係しているヴァータで、病気のほとんどは、このヴァータが原因になって起こるといわれています。

◎このヴァータの乱れのバランスをとる精油:

カラムス(菖蒲)/サンダルウッド/ローズマリー/ブラーミ
バジル系/アンジェリカ/カルダモン/オレンジなど

★ヴァータ2が乱れているときのサイン:

のどの痛み、ガン、扁桃腺炎、どもり、衰弱、疲労、耳痛、ドライアイ、
興味の欠如、過度の興奮、話ベタ、

⇒このヴァータは、肺と喉に濃縮されているヴァータ「ウダナヴァータ」と呼ばれるヴァータの乱れのサイン。このヴァータは、呼吸の吐く息と、上向きの空気の動きを担います。話す能力や身体的な強さ、知性、記憶力と関係したヴァータといわれ、感情の解放や寛大さを生み出すといわれています。

◎このヴァータの乱れのバランスをとる精油:

カモミール/アニス/アジョワンなど

★ヴァータ3が乱れているときのサイン:

消化不良、エネルギーの低下、下痢、脱水症状、栄養失調、食べるのがとても遅いか早いの両極端な状態

⇒食べ物を胃と腸に運ぶ動きを担うヴァータ「サマナヴァータ」の乱れのサインです。このヴァータは、マインドと感情のバランスをとり、消化された食べ物を代謝することと関係しています。

◎このヴァータの乱れのバランスをとる精油:

アジョワン/クミン/ターメリック/ジンジャー/バジル/クローブ/
ナツメグ/ディル/ヴェレリアン

★ヴァータ4が乱れているときのサイン:

便秘、下痢、糖尿、月経困難症、性不全、死産、難産、腰痛

⇒排尿、食べ物の残りカス、月経、射精、出産プロセスを担う「アパナヴァータ」の乱れのサインです。このヴァータは、胎児の成長を成し遂げることに関係したヴァータです。

◎このヴァータの乱れのバランスをとる精油:

ジンジャー/ニンニク/シナモン/ライム/レモン/
オニオン/パセリ/アサフォエティダ/バジル

★ヴァータ5が乱れているときのサイン:

関節のわれ、神経症、関節炎、頻繁なまばたき、不規則な心拍数、
血液循環が悪い、体が動かない

⇒体全体を動き回っているヴァータ「ヴィヤナヴァータ」が不調です。
このヴァータは、神経系や血液循環から派生し、細胞に栄養を運搬し、余分なものを廃棄する働きを担います。発汗、心拍数、触覚と関係したヴァータといわれています。

◎このヴァータの乱れのバランスをとる精油:

ミルラ/カンファー/カルダモン/シナモン/ユーカリ

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さて、いかがでしたでしょうか。
精油の中には、なかなかマニアックなものも混じっていますが、精油が手に入らない場合は、そのハーブ自体を料理などに使っても有効です。

精油は基本的に、湿布やお風呂、マッサージオイルなどに加えたり、沸騰させたお湯に数滴加えてその蒸気を鼻から吸入して使います。

また、普段使っているクリームなどに数滴混ぜて使ったり、アロマポットで香りを楽しむのもよい方法です。

(注意:精油はとても濃いハーブ・エッセンスなので、そのまま原液の状態では使えません。必ず薄めて使いましょう)

■次回の part.3 では、ピッタとカファの乱れのバランスをとる精油についてお伝えしたいと思います。

 

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