鼻は脳へのゲートウェイ<2> ~アーユルヴェーダとアロマテラピー part.1~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.52

アロマテラピーには、私たちを鎮め、リラックスさせ、エネルギーを与えるなど、たくさんの有益性があります。
鼻は脳へのゲートウェイ<2> ~アーユルヴェーダとアロマテラピー part.1~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.52

インドに住み始める前、アロマテラピーというものに対して持っていた私のイメージは、「西洋由来の療法のひとつで、どこか高級感があるヨーロピアンなもの。」というものだったのですが。

インドで暮らしはじめ、アーユルヴェーダのドクターがさまざまな種類の精油を製造販売しているのを見かけたり、さらに著書の方でも精油について紹介していたり、また、インドの裕福な家庭の女性たちが出入りするような、お洒落な雑貨店などにいくと、かなりマニアックな精油が並んでいたりしたので、私自身てっきり「アロマテラピーはアーユルヴェーダから派生したもの」と思っていたのですが、アロマテラピーは西洋由来の療法のひとつで、後にアーユルヴェーダにおいても使われるようになったことがわかりました。

そして、アーユルヴェーダにおいてアロマテラピーが使われるようになった背後には、アーユルヴェーダにとってはちょっとした不遇な物語がありました。

今回は、そんなお話からはじめたいと思います。

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■《イギリスによる植民地支配で弾圧されたアーユルヴェーダ》

約5000年前にインドで発祥したアーユルヴェーダは、幅広いバラエティのさまざまなハーブの研究の上に成り立った、古代の東洋医療です。

基本的に体を侵害するような治療や、合成薬剤を使ったアプローチはほとんどありません。その代わりに、バランスのとれたライフスタイルに適切な食事やハーブ、運動、活動、色、音楽、瞑想、そしてヨガを組み合わせることによってアンバランスを提案している医療体系で、その知識は伝えられ、記録されてきました。

ところが、イギリスによる植民地時代には、アーユルヴェーダは禁じられ、すべてのアーユルヴェーダ病院が閉鎖されてしまいます。
そして、西洋医学がより一般的に浸透するにしたがい、アーユルヴェーダは「貧民の医療」と考えられました。

しかし、インドがイギリスから独立してからは、アーユルヴェーダは再びゆっくりと姿を現し、現在においては、インドの人口の70%が、アーユルヴェーダの治療法によって処置されているといわれています。

イギリスによる長い植民地支配からの妨害を経て、アーユルヴェーダの整合性は一時的に散乱したものの、18世紀の初期になり、残されたアーユルヴェーダの智慧を復元させる必要性を感じたたくさんのドクターたちの努力によって、復活させたものが、現代のアーユルヴェーダだといわれています。

香りのある植物は、古代からずっと使われてきましたが、アロマテラピーがアーユルヴェーダ治療の一部として統合された18世紀までは、アロマテラピーにおいて主に使われる植物の蒸留物・精油は、あまり使われていなかったようです。

5000年もの間、たくさんの幅広いバラエティのハーブを薬として用いてきたアーユルヴェーダのドクターたちが、自然の植物由来の精油を使うことは有益に違いないと思ったとしても、全くおかしくありません。むしろ自然です。

このため、現代のアーユルヴェーダでは、ライフスタイルへの提案の中で、精油の使用が薦められていることがよくあります。

「Ayurveda & Aromatherapy」の著者、ドクター・ライト・ミラーは、「五感を強化することは、健康を促進することに繋がる」と述べ、現実での生活においても、五感を強化することを提案しています。

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私たちは、物質界と五感を通してつながっています。

例えば、適切な食べ物を食べることで私たちの味覚は満たされます。
マッサージやヨガは、触覚を発達させます。植物の香りを嗅ぐことで嗅覚が高まります。音楽は聴覚を通じて、私たちの気分を高揚させたり、逆に落ち着かせたりします。また、特定の色は私たちの視覚を刺激し、特定の効果をもたらします。例えば赤は私たちを興奮させ、一方で紫は、落ち着かせる効果があります。

英国伝統のアロマテラピーでは、精油をベースオイルに加えてマッサージオイルとして使われてきました。アーユルヴェーダでは日々の日課のひとつとしてマッサージがすすめられています。

アロマテラピーには、私たちを鎮め、リラックスさせ、エネルギーを与えるなど、たくさんの有益性があります。

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次回、~アーユルヴェーダとアロマテラピー part.2~では、ドーシャの不調別、効果的な精油と使い方などについてお伝えしたいと思います。

 

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