鼻は脳へのゲートウェイ<1> ~香りの国、インド。~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.51

本来の自分を取り戻したいという魂の欲求を持っている人にとっては魅力的に映る国なのかもしれませんね。
鼻は脳へのゲートウェイ<1> ~香りの国、インド。~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.51

今回から数回にわたり、「鼻を通じて脳を活性化すること」をテーマにお伝えしていきたいと思います。

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インドは、香りの国です。

インド暮らしをはじめてまだ間もない頃、近所の生活雑貨店で何気なく手に入れたサンダルウッドの石鹸。なんのことはない、値段も安く庶民的な石鹸だったのですが、日本で暮らしていた頃にはまるで馴染みがなかったなんともいえないいい匂いに、「インドは普通の石鹸でもこんないい匂いがするの?」と、軽いカルチャーショックを受けたものでした。

そして、日本の市販石鹸にはない、見た目の素朴さと、使ったときの優しい感じがとても印象的でした。

サンダルウッドの産地・マイソールで作られていたその石鹸がすっかり気に入り、数個買い込んで部屋の芳香剤がわりにしようと、再び店へ足を運ぶと、今度はムスク石鹸なるものを発見し、ついでに買ってみると。……こちらもそれまでにまったく馴染みのなかったいい匂いがしました。

こうして、はじめは小さなきっかけでしたが、その後、インドが生み出す香りの世界にどっぷりと嵌っていくことになったのです。
(ニベアの石鹸でさえも、インド製のものはすごくいい匂いに感じられました)

インドは、お香の豊富さでも知られています。

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フランキンセンスの樹脂

 

当時あらゆる香りを貪欲に嗅ぎまくっていた私は、さまざまなお香を片っ端から手に入れ、気に入った匂いのものを見つけては、そのお香だけを朝から晩までひっきりなしに焚いていたこともありました。

またある時は、当時お世話になっていた友人に連れられて、外国人がほとんど見当たらないようなマニアックな通りにある香水専門店に行き、いろいろな香水のサンプルを試しました。

その香水店には、ローズやサンダルウッドの精油をはじめ、さまざまなものがありましたが、中には「アラブの人たちが<天国>と感じる香り」のする香水というものがあり、天国の香りってどんな匂いがするのだろうと、嗅がせてもらうと、心を鎮静させる効果がありながらも上品でゴージャス感があるヘブンな香りがしました。
中東独特のミステリアス感が漂うその香りに、脳はすっかりヘブン化したものです。

また、「日照りが続いた後の雨を思わせる土の香りの香水」なんていうのもあり、土臭いながらも何とも自然な匂いに、あたかも自分がその雨に濡れているような錯覚になりました。(結構入り込みやすい性質な私でした)

そしてまたある時は、フランキンセンスやミルラの樹脂そのものを、炭火にくべて香りと煙を楽しむ方法を教えてもらいました。

これが結構強力で(インドでは室内の浄化や瞑想、悪霊払いなどに使われています)、フランキンセンスとミルラの匂い、そして白い煙に満たされた部屋は、まるで教会。
お香では味わえない深いリラックス感を誘いました。

このフランキンセンスとミルラの組み合わせは、抑圧された感情の浄化にとても役立つ匂いで、当時ストレスから感情的になりやすかった自分自身のバランスを取るのにとても役立ったので、ここでやり方をご紹介しておきたいと思います。

フランキンセンスとミルラの樹脂で感情を浄化する方法:
(特に、すぐに感情的になりやすい人におススメのリラックス法です。)

◎必要なもの:

フランキンセンスとミルラの樹脂
炭火

◎やり方:

炭火をおこし、樹脂をパラパラとくべて、煙と匂いをじっくりと楽しみます。
夜寝る前に焚き、煙につつまれながら寝るのもおすすめです。

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ところで、香りというものは、脳を癒し、活性化するパワフルなもののひとつです。

使い方次第で、鬱さえも治癒する効果があるといわれています。

アーユルヴェーダを学ぶにつれてわかったことは、体のプラーナ(生命エネルギー)の流れが停滞しているときに香りをかぐと、鼻を通じてダイレクトに脳が活性化され、プラーナの流れを促進し、神経を鎮静できること。

つまり、好きな匂いや惹きつけられる匂いを嗅ぐことは、体が無意識に、プラーナの流れを整えたり、緊張状態や神経を鎮静させ、バランスをとろうとしているサインなのですね。

インドに住んでいて得したことのひとつは、こういった香りのアイテムや、岩塩のような、治癒効果のある自然素材に豊富に触れることができたことです。

それは、インド生活の中で「この国は本当に酷い国だ」と何度も思いながらも、まるで「メゲずに頑張りなさいな」と宇宙のどこかから励ましのエールを送ってもらっているかのようでした。
(逆にいえば、こういったアイテムに出会うことがなければ、インドの酷い面ばかりが目に付き、「本当に酷い国だった」で終わってしまっていたかもしれません。)

ということで、インドでの生活は、香りに救われたともいえます。

インドという国は、好き嫌いが極端に分かれる国ですが、ある意味、人を本来の何も持っていない状態(または原点)に回帰させるような不思議な国。

本来の自分を取り戻したいという魂の欲求を持っている人にとっては魅力的に映る国なのかもしれませんね。

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次回は、《鼻は脳へのゲートウェイ<2> ~アーユルヴェーダと
アロマテラピー~》についてお伝えしたいと思います。

 

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