■食卓塩は砂糖入り? 精製塩をとらない方がいいその理由~『アーユルヴェーダにおける、塩のお話<3>』 〜インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』VOL.47

精製塩そのものや加工食品を最小限に減らし、自然の未加工ミネラル分が入った岩塩のような自然の塩を増やし、体のミネラルバランスを回復させることです。

前回では、そもそも塩は、人間が生きていくうえで欠かせないものとしてご紹介しましたが、三話目の今回は、家庭で一般的に使われている食卓塩をはじめとする、精製加工された塩についてお伝えしたいと思います。

 

■自然の物を「よくする」ためにしたことは、実際は質を「悪くする」

自然本来のものを、人間が「改善する」ことに決めた時、不幸にも実際には、その反対のことが起こってしまいます。
これはいわば、宇宙の法則という絶対的な法則によって起こる当然ともいえる結果なのかもしれません。

その例として、砂糖を「精製」することで、体の中で攻撃的な働きをする物質に変え、小麦を「精製」することで、腸にフィルムのような
膜ができ、腸は栄養を吸収できない状態になり、あるいは脂肪分が多すぎるという理由で、乳製品から脂肪分を取り除き「低脂肪乳」なるものを作ることで、その乳製品は消化が不可能な物質に変わってしまいました。

最も幅広く使われている食卓塩もまた、塩化ナトリウムが主成分の精製された塩です。

生の塩を浄化加工し、保存期間が長くなり扱いやすいように作り出された精製塩は、再結晶させることで作られますが、この加工プロセスの中で、ケミカル処理され、大部分の不純物が除去されます。

このとき、自然のマグネシウムやカリウムの大部分も失われます。

蒸発を頻繁に行い、高温で乾燥させるため、自然の化学物質の構造が熱で破壊されます。

加工品類は、保存がきくようにこういった精製塩がたっぷり加えられているので、私たちの体の中のデリケートなミネラルバランスを損ないかねません。
また、食卓塩には、さらには砂糖さえも加えられている(味をマイルドにするためでしょうか……)とのことです。

どこからどう考えても、もともとの形から程遠い状態に変形してしまったこのような塩が、体にとってよいものになることは、ほぼないでしょう。

私たち人間の体は、自然でない塩に対し、それを食べ物として認識することはまずありません。
研究によれば、食卓塩1gさえも、私たちの身体組織は加工できないとのことです。

精製砂糖は体の中で攻撃的になる

 

■まずは缶詰やジャンクフードをカットする

普段の食事の中で、塩を減らす必要があるとすれば、過剰な塩分が含まれたジャンクフード類をカットし、体がちゃんと「食べ物」として認識する食品選びからはじめる必要がありそうです。

缶詰には、保存料として大量の塩が使われていますが、同じ食べ物でも新鮮なものを使うことで、塩分は缶詰に含まれる塩分のたったの10%程度! で事足ります。

 

■もしも塩分をとりすぎてしまったら

精製塩をとり、体のナトリウム濃度が上がるとき、私たちの体のカリウム、マグネシウム、カルシウムのレベルが下がるといわれています。

体は、化学加工処理された塩を中和するために、細胞中水分を20倍以上使って、バランスをとろうとします。

また、精製塩に含まれるナトリウムは、直接的に細胞の中のカリウムのレベルを減らし、他の問題を引き起こすことがあり、これが細胞の脱水症状を引き起こし、水を飲んだだけでは中和されないため、体のミネラルバランスを回復させるしかありません。

このような症状を起こさないためにも、そもそも精製塩そのものや加工食品を最小限に減らし、自然の未加工ミネラル分が入った岩塩のような自然の塩を増やし、体のミネラルバランスを回復させることです。

うっかり塩分を取りすぎてしまった後は、以下のようなカリウムが豊富な食べ物を食べてバランスをとりましょう。

カリウムたっぷりバナナ+アボカド

 

★カリウムが豊富な食べ物例:

*豆類
*濃い緑色の葉野菜
*焼きじゃがいも(皮付き)
*アプリコット
*プレーンヨーグルト
*魚(特にワイルドサーモン)
*アボカド
*きのこ類
*バナナ

◎次回は、美容アイテムとしての塩とその効果についてご紹介したいと思います。

 

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