病気になるかならないかは、自分次第? 〜インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』Vol.31

アーユルヴェーダを知ることは、もはや、病気の原因の責任を神様に丸投げすることなしに、自分で自分の体の責任をとることの大切さを学んでいくことと同じことなのですね。

インドで生活しはじめ、アーユルヴェーダの独特な思想や考え方に対する興味を募らせるきっかけとなったのが、「Ayurveda Unravelled」(アーユルヴェーダを解明する)という、ドクター二人の共作のシンプルなペーパーバックだったのですが……。

その本によってますます知的好奇心を刺激された私は、本屋で、さまざまなアーユルヴェーダ関連の書籍を探すことがすっかり趣味になり、そうした中でさまざまな教えに触れていくことになりました。

それまでは、病気というのはどこか、自分の意志とは無関係な、コントロール不可能なところから急にやってくる恐ろしいもので、

「病気になるかならないかは、神様が決めるもの」

というような、どこか漠然としたイメージがありましたが、アーユルヴェーダの考え方に触れていくにしたがって、病気というのは実は、そう簡単に起こったり、ある日突然急になるものなのではなく、現実世界に対するその人自身のものの考え方や感じ方、例えば世の中や他人に対する否定的な見方を長期間続けた結果であったり、あるいは体の声を、ある一定期間の間無視し続けた結果として、はじめて起こってくるというものが分ってきました。

アーユルヴェーダを解明する(本)

 

今回から数回にわたり、「病気に至る前に食い止める」ことに関したテーマで、お伝えして行きたいと思います。

私たちの体は本来、生命を維持するための完璧な機械であり、何か不具合が生じるようなことがあれば、それを自動修復するメカニズムに長けています。

なので、体が発している不調のサインになるべく早く気づき、その症状を反転させるような食べ物や習慣を導入することができれば、それ以上の進行は食い止められるので、十分に予防できるものなのです。

病気になるかならないかは、神様の責任でもなんでもなく、自分次第でいくらでもコントロールができる。とアーユルヴェーダはいいます。

アーユルヴェーダ実践の指導者として、セミナーや研究会で世界的に活躍する名高いドクター、ヴァサント・ラッド氏は自身の著書で、

「あなたが日々どのように暮らしているかが、
あなたの健康と経験の質を決定する鍵となる。

天気や遺伝的体質をコントロールすることはできないが、
あなたが日々行っていることにより、健康状態をよいものに作り上げ
て活力を湧き立たせ、病気への抵抗力を強くすることもできれば、
逆に疲労させることもできる。

それは自分でコントロールできるもの」

と述べています。

いつ、、ナニ食べてる?

 

普段、何を食べているか、どのくらい、いつ食べているか、他人に対しどう反応しているか……。

また、日常的な運動の有無、夜はどのくらい遅い時間まで起きているか、といった、日常的に些細な一瞬一瞬の選択が、精神的、そして身体的な健康に重要な役割を果たすというのです。

アーユルヴェーダを知ることは、もはや、病気の原因の責任を神様に丸投げすることなしに、自分で自分の体の責任をとることの大切さを学んでいくことと同じことなのですね。

★次回では、病気が起こる第一段階といわれる「蓄積」について、お伝えしたいと思います。

 

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