インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』Vol.24 ~私たちは普段食べているものからできている!~

私たちがもし、落ち着いた感情や思考能力を安定させ、意識の状態を向上させたいなら、普段食べているものや食習慣を無視することはできないのです。

■インド古典の中で描かれた、動物描写

古代インドの教典では、食事法について、象、トラ、ジャッカルという動物の例を用いて説明されています。

象は、菜食です。この動物は、サットヴァ的マインドを象徴しています。
アーユルヴェーダは、私たちがマインドを幸せと平和に保ち、健康的な生を送るために、主に野菜で構成されたサットヴァ的な食事をすることを強調しています。
サットヴァ状態では、私たちは自然の法則に従って、明瞭に考えることができ、そしてふさわしい行動をとることができます。
象は、強く、おだやかで、知的です。

一方、トラは肉食です。トラは、行動指向的なラジャス的マインドを象徴します。動物を殺して食べる行為は、トラを獰猛で野心的にします。
トラは落ち着きがなく、いつも獲物を求めてうろついています。

ジャッカルは、タマス的マインドを象徴します。タマスは破壊的な質ですが、これは必ずしもネガティブな要素ばかりではありません。
ジャッカルは、他の動物が食べ残した食べ物を食べることによって生きながらえます。ジャッカルは心配性で、ずるく、怠け者です。

インド古典に登場するジャッカル、象、トラ

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インドのおもしろいところは、タマス大国にもかかわらず、歴史的には、「超サットヴァな人」を世界のどの国よりも多く生み出しているところ(「超サットヴァな人」とは、わかりやすい言葉でいえば、「悟りを開いた人」のこと)。

インド特有のこの両極端さや矛盾が、ある一部の人たちを魅了してやまない国にしているのかもしれません。

 

★次回は、『落ち着きをなくし、感情を乱すラジャスな食事、タマスな食事とは?』
をテーマにお伝えしたいと思います。

前回の記事:インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』Vol.23 〜普段の食事にアーユルヴェーダをとりいれて オージャス生産をスムーズに!〜