インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』Vol.19

ギーは消化許容量を増やすだけでなく、同時に弱った体に滋養を与え、 脳と神経系を強化して記憶力を改善するといわれています。特にギーと 牛乳と一緒にとると、最高のオージャス・ドリンクとなります。
インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』Vol.19

■美容とオージャスのお話。<3>

体に十分なオージャスがある時、体は生命力で輝き、マインドと体は必要な栄養分を受け取り、私たちは生きていることが楽しく、日々イキイキと暮らすことができます。

一方、ストレスや他の原因によって、消化力が妨害されたり、オージャスを薄めてしまう要素について、前回までお伝えしてきました。

※オージャスとは「食べた物が適切に消化吸収された後にできあがる分泌液で、生理機能が健康的で能率的に機能し満ち足りているときに出来上がる副産物」のこと。

オージャスは、いわば「体とマインドと霊性の絆を強くする微妙な接着剤」のようなもの。この三つが統合されてはじめて、本当に幸せになれるという言い方もできるかもしれません。

さて、今回からは、このオージャスを高める効果のある食べ物やハーブについてご紹介していきたいと思います。

《オージャスを高める食べ物とハーブ》その1.ギー(精製バターオイル)

インドでは昔から、アツアツの焼きたてチャパティ(小麦の全粒粉で作る家庭用の薄いパン)にギーを塗って食べると寿命が長く健康でいられると考えられ、実際インド人たちは免疫が強く、体がとても丈夫です。

インドの家庭パン、チャパティ

インドで暮らしていた頃は、インド人のタフさ(+図太さ)には、ある意味感動さえしたものですが。インド人たちは、オージャスを高める食べ物やハーブを、日々、日常的に食べています。

ギーは、「アーユルヴェーダの生の秘薬」ともいわれ、元気回復、若返り、長寿を促進する食べ物として昔から伝統的に食べられてきたオイル。
ギーは無塩バターを加熱して作られた黄金色のオイルで、消化力を高め、吸収同化を促進させます。

活力の元、ギー

アーユルヴェーダの概念のひとつに、「似てるものは似てるものを増やす」というがあるのですが、ギーはオージャスの質(白と黄色、ハチミツのような味など)と身体的な類似性があり、なぜギーがオージャスを高めるのかをよく説明しています。

ギーはオージャスの質とよく似ていて、さらに生殖液とも類似しています。
このため、ギーはアーユルヴェーダのさまざまな媚薬の原料として、幅広く使われているのです。

→ギーの作り方については、Vol.8をご覧下さい。

ギーは消化許容量を増やすだけでなく、同時に弱った体に滋養を与え、脳と神経系を強化して記憶力を改善するといわれています。特にギーと牛乳と一緒にとると、最高のオージャス・ドリンクとなります。

このドリンクで一日をスタートさせ、日々健やかに暮らしましょう。

◆◆ エネルギーと活力を高めるオージャスドリンク ◆◆

オージャスドリンク

材料:
デイツ(ナツメヤシの実) 3から5粒
アーモンド 10粒
フェンネルシード 小さじ1杯
ギー 小さじ1杯
カルダモン 一つまみ
サフラン 一つまみ
全乳(または、豆乳、アーモンドミルク、ヤギのミルク)2カップ

※デイツ、アーモンド、フェンネルは、あらかじめ少々の水で
一晩ふやかして置きます。

◎作り方◎
はじめにアーモンドと半カップ分の牛乳をミキサーにかけ、なめらかにします。こうすると、アーモンドとデイツを可能な限り液状にできます。

次に、残った材料を全部入れ、再びなめらかになるまでミキサーにかけます。

■<ギーの欠点と禁忌>:

前回、アルコールのようなものは「使い方次第で霊酒にもなり、毒にもなる」というお話をしましたが、それはギーにも当てはまります。

現在、すでに肥満体質の人や、日常的にあまり運動をしない人、アルコールを常用している人は、ギーを摂り過ぎると逆に体内の毒素を増やしてしまう可能性があるので、ギーを日常的に使うべきではないとされています。

★次回は、《オージャスを高める食べ物とハーブ》その2.
「何千年もの間、人々を霊的にガイドし、自然界の薬の母と呼ばれてきたハーブ・トゥルシ(ホリーバジル)」についてご紹介したいと思います。