■体に備わる自己治癒力を高める〈13〉 ~さまざまな断食で、脂肪燃焼力をリセット&解毒 part.10~インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』vol.116

これまで数回にわたり、自宅でもできる解毒浄化方法をテーマにお伝えしてきました。
今回はその最終回です。

 

★ナチュラルにオートファジーなライフを送っていた、私たちの祖先

ここ10年間ほどで、デトックスという言葉が流行し、その言葉は普通に定着するようになり、さまざまなデトックスアイテムが姿を現すようになりました。

そもそも私たちの祖先たちは、環境的に、食糧が不足しがちだったこともあり、現代のようにわざわざ解毒などしなくても、普通に断食を余儀なくされたため、オートファジー(体に断食の時間を与えたり、カロリーを制限することで、損なわれた細胞や器官が自動的に掃除修復モードに入ること。例えば、がん細胞を中和するためや、有害な細菌やウイルスに感染した細胞を分解しはじめる、など)が日常的になされてきました。

万が一、体に病んだ細胞ができあがれば、体はそれを勝手に掃除しはじめ、修復してくれる……。
そんな安全装置が、私たちは生まれた時からすでに内蔵されているとは、なんという温かい配慮でしょう!

これは私たちが、そう簡単には死なないようにはじめから手厚くサポートされ、「さあ、あとは今生の命を心ゆくまでまっとうしてきなさい」と、天上界から言われているかのように思えます。

(昔はフツーにオートファジーライフ)

 

★現代生活を送る上で必須となる「定期的な解毒浄化」

これまでご紹介してきた、断食、解毒浄化方法を、定期的にすることで
得られるメリットは、

・糖尿病、心臓病、神経系の不調になりにくくなる
・寿命がのびる
・がん予防
・炎症の減少
・血圧を正常化
・ストレスの軽減
・バランスのとれた体重をキープできる

など、たくさんあります。

遠い昔の時代は、食料が不足していたとはいえ、人が呼吸する空気や飲む水は純粋で、それだけでもリフレッシュするものでした。

今日においては、空気や水は、あらゆる類の毒性化学物質や有害な病原菌で汚染されています。
さらには野菜についた殺虫剤、魚の重金属、肉類中のホルモンやステロイドなど、あげたらきりがありません。

そして、私たちが食べる、手っ取り早くて便利ではあるものの、原料に何が使われているかわからないジャンクフードの数々。

他、流れが早く、ストレスの多い現代のライフスタイルから私たちが知らず知らずに溜め込んでしまう、怒りや悲しみといったネガティブな感情も、溜めたままにしておけば、りっぱな毒性の化学物質となって、私たちの体の中に蓄積されます。

(断食中は消化系リセットタイム)

こういった毒素がたまっているサインには、慢性疲労、原因のわからない長引く気だるさ、頭痛、増え続ける体重、肌のトラブルなどがあり、最終的には深刻な病気に発展するかもしれない原因となるものです。

そんな中、定期的に断食し、あるいは解毒浄化食事をとり、消化系にたっぷりと休養時間を与えることができれば、体はそれらの毒素を掃除して退散させるために十分なエネルギーをたっぷりと使うことができる、とアーユルヴェーダは教えています。

私たちの体に備わるオートファジー機能を使うことを忘れ、一度病気になってしまった後は、残念ながらできることは限られてしまうので、予防医学としても有名なアーユルヴェーダの知恵を、ぜひ普段から実践することをおすすめします。

◎次回からは、「味の効用」について、お伝えしていきたいと思います。

 

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