・植物性の完璧なタンパク質「米+豆」
さて今回はまず、この、米と豆の組み合わせについてお伝えしたいと思います。
米+豆の組み合わせといえば、まず思い浮かぶのが「ご飯とお味噌汁」あるいは「ご飯に納豆」、他、お赤飯などが思い浮かぶのではないでしょうか。
何気なく普通に組み合わせていますが、これにはちゃんとした正当な理由があり、世界中の国において、一万年にも渡り伝統的に組み合わせられてきました。
この組み合わせは、10種類の必須アミノ酸を提供する「完全タンパク質」を作り上げるための智慧です。
ところで「完全タンパク質」というのは何を意味するのでしょうか。
そのあたりのことについてまずは触れておきたいと思います。
私たちの体に必要なタンパク質を作るためには、20種類のアミノ酸の結合が必要といわれています。
そしてこのうち10個は、体が自分で合成することができます。
必須アミノ酸と呼ばれる残りの10個については、体は合成することができないので、私たちは食べ物からそれを補わなければなりません。
この点で、動物性タンパク質は、この10種の必須アミノ酸をすべて含んでいるので「完全」ですが、植物性タンパク質はこの10種類をすべて含んでいるわけではないので、不完全です。
このため、完全にするためには他のものと組み合わせる必要があります。
そして「完全」にするための組み合わせが、この「米+豆」になります。
米は他のほとんどの穀物と同じように、アミノ酸のひとつリジンがとても少なく、このため、穀物ばかり食べていると、タンパク質不足になってしまいます。
一方、豆類にはこのリジンがたくさん含まれてはいるものの、他のメチオニン、トリプトファン、シスチンといったアミノ酸があまり含まれておらず、幸いなことにこの三つは穀物類に豊富に含まれています。
このため、少ないアミノ酸をお互いに補う組み合わせとして、米と豆は最高のパートナーで、私たちに植物性の完全なタンパク質を提供してくれるというわけですね。
ベジタリアンが他のどの国よりも多いインドの食文化においては、この二つの完璧な組み合わせにさらに、消化促進を助け解毒効果をさらにアップさせるスパイス類が加えられます。
その一番シンプルな形がアーユルヴェーダ伝統の解毒ご飯「ケチャリ」です。
★過酷な断食が失敗に終わってしまう、意外な理由
浄化解毒期間中というのは基本、血糖を安定状態に保ち、体が脂肪を燃やすために十分なタンパク質が不可欠といわれています。
浄化解毒のための断食中(例えば水、野菜や果物のジュースなどの水分だけをとる、ややハードな断食系)では、極度の空腹感からのイライラや過敏さが増したり、低血糖による頭痛や血糖値に関する問題が生じることがあり、結局中断せざるを得なくなるケースというのが少なからずあります。
断食する目的はそもそも、体を脂肪代謝するように向かわせて、なかなか燃えてくれない固形燃料である脂肪細胞の中に溜まった重金属、防腐剤、化学物質、殺虫剤、環境毒素といったゴミを解毒することですが、
上記のような、体にとって過酷でストレスがかかり、緊張と負担を強いられるような場合、残念ながらスムーズな解毒は起こらず、過酷なわりには脂肪燃焼量も最小限に抑えられてしまいます。
体というのは、数時間おきに食べ物を与えて甘やかすのもよくなければ、その真逆の方向の酷使もいいとはいえず、このあたりのバランスが大切になります。
浄化解毒をスムーズにさせる法則があるとすれば、
「ストレス=脂肪がたまる」
「ストレスなし=脂肪が燃える」
ということになります。
この点で、ケチャリは完全なタンパク質を体に供給するため、解毒の間、血糖が極端にブレることがなく、安定状態を保てます。
こういった状態を作り出さなければ逆に、体は浄化プロセスを「脂肪を蓄積すべき緊急状態」として解釈して反応し、脂肪をたっぷりと溜め込むようにと脳にシグナルを送ってしまうことでしょう。
(これがいわゆるドカ食いによるリバウンドです)
つまり、効果的な浄化解毒を成功させるには、私たちは自分の体と細胞に「生命の緊急事態」ではないこと、そして「溜まった脂肪を安心して燃焼し毒素を放出しても大丈夫ですよ~」と、体と細胞に納得させなければならないのです。
そうでないと体はサバイバルを脅かされるような危機感でパニくり、サバイバルするための行動(脂肪蓄積)に出てしまうのです……。
ケチャリを使った浄化解毒では、毎日、一日三回食べられます。
このため、体が飢餓感を感じることはありません。
こうして快適さが保たれることで、より多くの脂肪が燃えます。
◎次回では、「ケチャリの作り方」と「ケチャリがもたらすスピ効果」についてお伝えしたいと思います。
《村上アニーシャ さんの記事一覧はこちら》
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(トップ画像/ジュースだけの断食はやや注意が必要)