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鶴は千年 亀は万年ってホント? 長寿の動物No1とは?

長生きを祝ったり、とても、おめでたいことを祝うときに使う「鶴は千年亀は万年」という言葉。なぜ、この二種類の動物はそれほど、縁起が良いと考えられたのか、皆さんご存知でしょうか?

【鶴と亀はなぜめでたい】

「鶴は千年亀は万年」という言葉があります。基本的に、日本では「鶴も亀もおめでたい動物である」とされており、祝い事に使われる道具のモチーフとなったり、古い時代には、その肉が提供されたりもしてきました。

前述の言葉は、そんな縁起の良い動物である鶴と亀が、それぞれ長寿であり、「鶴は1000年、亀は10000年も生きる」ということを表しています。なぜ、この二種類の動物はそれほど、縁起が良いと考えられたのでしょうか?

 

【八卦を産み出した亀】

亀は日本に限らず、中国でも「古代から神聖な生き物」であるとされてきました。

さまざまな東洋の占いの起源となっている「八卦」は、「亀の背中に書かれていた文様」がベースになったといわれていますし、高松塚古墳で有名な、四方を守護する神獣である「四神」にも、北を守る「玄武」として登場します。また、インドをはじめとして、いくつかの国では「世界が亀の背中に乗っている」という思想がありました。

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【天上界に通じる鶴】

一方で鶴はどうかというと、その美しい姿から神聖な鳥だと考えられていたようです。

鶴はつがいで仲良くしているように見えることから、「夫婦円満をあらわす」とされたり、長い喉を垂直に天へと向けてあげる声が、まるで天へとなにかを伝えているように見えることから、「天上界に通じる鳥」などとされたようです。

 

【仙人の乗り物だった鶴亀】

ちなみに、「鶴は千年亀は万年」という言葉は、元々「中国が発祥」とされています。中国の神話にはよく「仙人」が登場します。

中国の仙人とは「不老不死」で、時には「神様よりも強い力を持った存在」として知られているのですが、そんな仙人の乗り物として、鶴と亀がよく使われていました。仙人は鶴に乗って空を移動したり、亀に乗って水中を移動したのです。

前述したように、仙人は不老不死の存在ですので、そのしもべである鶴と亀も長い寿命を持っている存在だと思われたのかもしれません。

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【実際はそんなに長生きではなかった?】

このように、鶴や亀はおめでたい動物であり、スピリチュアルな要素ももっているのですが、実は「鶴はさほど長生きする動物ではありません」。はっきりとしたデータはわからないのですが、その寿命は長くても「30年前後、もっとも長生きした場合でも90歳程度」ではないかといわれています。

他の鳥類が寿命が短い動物ですので、それに比べると格段に長寿ではあるのですが、人間を越える長生きをする亀と比べると見劣りしてしまします。それに比べると、亀は万年といわれるだけあって、「亀の寿命は人間の2倍以上になる」ケースも確認されています。2006年に死亡した当時世界最高齢とされていた亀は、最低でも2「50年以上生きていた」といわれています。

とはいうものの、これはあくまでも現代の寿命を比べた場合であり、このことわざが成立した時代は、今よりも平均寿命はずっと短かったわけですので、人間とほとんど同じぐらい生き、場合によってはそれ以上をいきる鶴はもちろん、当時の人間5世代以上生きている亀というのは、神の使いだと考えられても不思議ではなかったわけです。