キャリアコンサルタントが注目される理由。 癒しと親身のやさしさと、カウンセリング力の国家資格。

●キャリアコンサルタントは、人生に寄り添う仕事。

自分のこれからを考えるとき、仕事選びはひとつの大きなテーマになります。

誰でも、自分にむいている仕事って? 本当に今の仕事は自分にあっている? そんなふうに、ときどきふと考えるものです。
たとえ好きで選んだ仕事でも、人間関係やスキルアップ、経済面で悩むこともあるでしょう。

みんなが、快適であたたかい交流がもてる環境で、自分の力を伸び伸びと発揮して仕事をする喜びを実感し正当に評価され、スキルアップしながら仕事面でも人間的にも成長し、経済的にも安定できる社会が作れたら素敵です。それは理想であってむずかしこと? それでもそれぞれがみんなの立場でみんなのしあわせを考えて小さな改善を重ねられたら、叶えられないことではなくなるかもしれません。

そのためにはまず、自分にあっている仕事や環境選びが大切で、企業にとっても自分の会社に合い充分に力を発揮できる人を求めているのは、同じです。そんな企業と働く人のベストマッチングを叶えるのが、キャリアコンサルタントのお仕事です。

ただしそれは、キャリアコンサルタントの仕事の一部であってすべてではありません。今回、キャリアコンサルタントについて教えていただく前は、人と企業を結ぶコンサルタントという認識しか持っていませんでした。国家資格として認定されて2年、徐々に注目される職業となっていますが、実情が認知されていくのは、これからでしょう。

「キャリアとは、人生そのもの。コンサルタントというよりカウンセリング。人に寄り添って心をケアしていくのがキャリアコンサルタントです。平たく言うと、グチの聞き役です」と、自らもキャリアコンサルタントとして活躍しながら、キャリアコンサルタントの育成にも携わる津田 裕子さん。

キャリアコンサルタントとは、やさしく頼りになる、人生におけるカウンセラーとしての役割を担っているのです。

 

●国がキャリアコンサルタント10万人をめざす理由。

2016年4月、国家資格となったキャリアコンサルタントという仕事は、厚生労働省のサイトでは、「キャリアコンサルティングを行う専門家で、企業、需給調整機関(ハローワーク等)、教育機関、若者自立支援施設など幅広い分野で活躍しています」と、紹介されています。

日本は、2024年までにキャリアコンサルタントを10万人に増やす目標を掲げているそうです。現在は3万人で、あと6年で7万人増やす必要があるという計算です。
国が多くのキャリアコンサルタントを求める理由はどこにあるのでしょうか。

「今、メンタル面でのケアを必要とする人が増えていて、うつや精神疾患となるとそれは医師の担当になりますが、医療の力が必要となる前の段階で、心の支えとなっていっしょに寄り添って人生を考えることが求められています。国はその必要性を重視しており、これを行う職業としてキャリアコンサルタントに期待しているんです」と、津田さん。

一般的な認識よりもっと深く相談をしてくる人の将来に関わり、重要な役割を果たす仕事なだけに責任もやりがいもあるのが、キャリアコンサルタントという仕事です。

「一般的に認識されているキャリアコンサルタントと実際は違いがあり、養成校に入って思っていたものと違う! と言われる方が、特に男性に多いようです」

 

●キャリアコンサルタントになるには?

キャリアコンサルタントとして登録申請を行うには、登録試験に合格しなければなりません。この登録試験を受けるには受験資格が必要で、厚生労働省認可の養成校で必要なカリキュラムを受講し修了証を得るか、実務経験を3年以上積むか、以上2つの道があります。

「養成校での受講がどのくらいの期間になるかは、目安としては働きながら週1回の受講を続けるとして4カ月くらい、月曜から金曜日まで詰めて受講して10日から2週間で修了するといったイメージです」

「他の国家試験の多くと同様にキャリアコンサルタントの登録試験も合格率は5割くらいなんです。受講しただけでは実際の試験に合格するのはむずかしく、せっかく実務経験を積んでいても試験対策としては自己流のため合格がむずかしのが実情です。そのため、合格のお手伝いをしようと、YouTubeを使っての試験対策講座や教室、マンツーマン講座なども行なっています」と。津田さん。

キャリアコンサルタントの仕事は、専門性が高く仕事を続けていくには、登録試験に合格して登録手続きを行うだけでなく、5年ごとの更新講習を受講する必要があるそうです。

●大学や企業など活躍のシーンは多い。

実際に、キャリアコンサルタントが活躍するのはどんな職場なのでしょうか。せっかく取得した資格を活かす方法、現在の実情などもうかがってみました。

「国の政策として、企業にキャリアコンサルタントを採用するようにと推進し、特に派遣会社などでは、義務化されるようになっています。また、大学でもキャリアセンターが充実しているところは人気があります」

「キャリアコンサルタントは、他の人の人生に関わるところに大きなやりがいと喜びがあります。ある公認会計士の方から現在は年収500万円だけど1000万円にしたいと相談にこられて、見事実現されたこともあります。人の役に立てるところが大きな魅力ですよ」

 

取材ご協力

津田 裕子さんプロフィール

津田 裕子(つだ ひろこ)
キャリアコンサルタント
キャリコンシーオー 主宰/株式会社リバース 取締役
大阪府出身。大学卒業後は一般企業にて経理、総務、人事を経て、採用担当で面接官を経験。その後は職業訓練校での講師経験を機に2014年からキャリアコンサルティング分野への造詣を深める。20015年にはGCSプロフェッショナル認定コーチの資格を取得2016年にはNPO法人国際メンターシップ協会認定アソシエートメンター、キャリアコンサルティング技能士2級にそれぞれ合格。同年から国家資格化されたキャリアコンサルタントとして登録した。現在はキャリアコンサルタント事業を展開する「キャリコンシーオー」にて合格講座を運営。学生への就職サポート、企業内のキャリアコンサルティングなども行い、これまでに1万件を超える相談実績がある。
また、厚生労働大臣指定のキャリアコンサルタント 更新講習も開講している。

 

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