ポタリングでどこまで行ける? 熊野街道! 3天王寺を越えて、桜咲く古えの風情あふれる道を南へ。後編

・熊野街道」から「熊野かいどう」へ。阿倍野で道標の雰囲気が変わった!

●あべの筋から大阪府内で元の場所に現存する唯一の王子、阿部王子神社へ。

天王寺は、自転車で越えにくい。
でも、昔の人の旅を思ったら、天王寺越えくらいなんでもない。
JR天王寺駅の西側、公園口の方を通り、あべのハルカスの前の道を東へ。

JR天王寺駅東口の前の信号を渡って西へ戻りあべの筋に出る。
これで天王寺は超えられた。

人が多いので自転車を降りて押すほうがよいかもしれない。
あべの筋とは、天王寺から大和川に架かる遠里小野橋までをいうらしい。

天王寺からしばらくの間、チンチン電車が走っている。
阿倍野交差点の南東角、地下鉄谷町線の入口辺りに、熊野詣の歴史を書いた道標がある。

チンチン電車と別れて少し進むと松虫交差点。
ここを道なりに阿倍野筋のひとつ西の筋へ。
この道が熊野街道の続きになっているようだ。

熊野街道の道標を頼りに、松虫通りからあべの筋のひとつ西の筋を進んで行くと、まず、安倍晴明神社がある。
鳥居にも、のぼりにも五芒星。
映画や小説でも題材となった陰陽師は、人気が高い。

お参りする人も多いのではないだろうか。
その少し南に、阿部王子神社がある。
なんか嬉しい。

当時の場所に現存する王子に来られた。
ここには、第二王子と書かれている。
阿倍王子神社の御由緒書によると、仁徳天皇により創建された阿部社がさまざまな経緯を経て平安初期に熊野神を勧請し、阿部王子神社となったとある。

鎌倉時代の書物には第四王子とされ(窪津王子、坂口王子、郡戸王子の次で上野王子はここに登場しない)、その後の戦乱により消失した王子があり、桃山時代の記録では第二王子になっているそうだ。

王子についてはわからないことが多いけれど熊野詣自体、長い間行われてきたことだし、皇族から武士、庶民へと広がった経緯もあり、さまざまな説があって当然と思う。

ここは、10月にはマーケットが開催されているらしい。
友だちが行った時は、オーガニックのお店などが出店していたそうだ。
その頃にもお参りしてみたい

・阿部王子神社にある石碑。第二王子と書かれている。

 

●北畠から帝塚山4丁目まで。

しばらく行くと、またチンチン電車が走る広い道に出る。
北畠の駅の辺りには、天然酵母のパンが美味しいそれいゆさんがある。
はじめてこのお店のそれいゆ20という食パンに出会ったとき、おいしいのはもちろん、その美しさに感動した。
炊きたてや季節限定のパンを教えてくださるので、思わず買いたくなる。
焼きたてを買ったら、近くの公園で食べるのが好きだ。

 
・それいゆさんの店内。いつも焼きたてが買える近くの人は幸せだ。

それいゆさんの並びに、ケーキのお店patisserie La maison de raviさんがある。
ミルフィーユとムラング シャンティを買った。
ムラング シャンティは、カラメルとアーモンドのメレンゲの間に生クリームがたっぷり。
このお店は、はじめて買ったけど、大好きになった。


・patisserie La maison de raviさんの店内。


・ミルフィーユとムラング シャンティ。水色の小さなプレートが可愛い。

近くには、コンディションのよいユーズドウエアのお店もある。
さらに南へ進むと、帝塚山3丁目には、有名なケーキ店ポアールさんがあるが、その少し北には、そのポアールさんのパンとコーヒーのお店もある。
ここのパンもいい。

帝塚山4丁目からは、万代池の辺りを通って住吉大社の東を通ると、熊野街道の道標があると教えていただいたので、チンチン電車とはさようならして、東の道を進む。

帝塚山辺りの道はむずかしくて、一筋縄ではいかない。
行ったり来たりしながら、なんとか万代池で道標を見つけた。

ここから、住吉大社に向かうが、住吉大社は、ゆっくり訪れたいし、近くまで行ったがお買い物したかった有名なお味噌の池田屋さんもお休みだったので、今回は、ここまでとする。

大和川は渡れなかったが、ポタリングなのだから仕方がない。
焦って大阪市内を出たいと思うのが間違いだった。

ゆっくり行こう!

 

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