古代から利用されてきた石の力で身体を温める岩盤浴

すでにブームは終わり、知名度も安定してきた「岩盤浴」。実は原理自体はかなり「古くから存在している」のをご存じでしょうか?

【一般的になってきた岩盤浴】

「岩盤浴」というものをご存じでしょうか?

すでにブームは終わり、知名度も安定していますので「一度は体験したことがある」という方も多いことでしょう。2000年代前半にブームとなったことから、比較的新しいものというイメージがあるかもしれませんが、実は原理自体はかなり「古くから存在している」のです。

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【江戸時代から人々を癒していた】

日本での岩盤浴の起源は、秋田県にある「玉川温泉」だといわれています。この温泉には、「北投石」という石が存在しており、その上にむしろなどをひいて横たわることで、通常の温泉につかるのと同じ効果が得られるとして、「江戸時代から多くの湯治客を集めていました」。

これは温泉の地熱によって石が温められることで発生する、「遠赤外線が放射されて、体内が効率よく温められる」わけですが、この原理を利用して人工的に岩盤浴を行う施設が作られました。玉川温泉と同じ東北地方にある宮城県気仙沼市が、岩盤浴施設を最も速く始めたとされていますが、その効果から一躍有名になり、前述したように日本各地に施設ができました。

あまりにもブームとなり、かなりのペースで店舗が増えたために衛生的に問題をもった店舗があったことや、同業他社との差別化が難しかったなどという理由から、今では専門店は減ったものの、その効果から大型の健康施設などでは、常設設備となっているところが多いようです。

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【石を温める療法は2000年以上前からあった】

日本では温泉による地熱によって偶然産み出された岩盤浴ですが、「石を温めることで身体を健康にする」という発想は、「2000年以上前の中国」にすでに存在していたといわれています。最も古典的なものとしては、卵形の石を手で包んで、その石から発せられるぬくもりを吸収する「暖手」であるという説もありますが、とにかく、石を温めることで、なんらかの癒しの効果がでるというのは、経験的に知られていたのでしょう。

岩盤浴は比較的広範囲に身体を温めることで、「新陳代謝を活性化させ、それによって血流の流れがよくなることで、免疫力がアップし生活習慣病の症状も改善する」ことが明らかになってきていますが、色々な大きさの石を身体におくことで、ツボや経絡の流れなどを直接刺激して、マッサージ的な効果をもたらす「ホットストーンセラピー」なども最近では一般的になっています。

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