もうすぐ旧暦10月1日、出雲では神在月が始まります。
神在月と言えば言わずと知れた出雲大社の神在祭が有名ですが、あまり知られていないのですが、出雲地方では複数の神社で神在祭を行うんです。
その中でも一番早く全国からの神々をお出迎えするのがこの朝山神社。
今回はこの朝山神社を皆様にご紹介したいと思います。
大国主大神が朝通う美しい姫神☆眞玉著玉之邑姫神
生い茂る木々が影を落とす参道。
ここを通る度に、『美人の条件の一つは紫外線を浴びすぎないようにして保つ美肌よねぇ。』と思うのです。
なぜそう思うのか?
それは、この神社に祀られている神皇産霊神の御子神の一柱である眞玉著玉之邑姫神(またまつくたまのむらのひめのかみ)が輝く玉の様な美貌を持っていたと謂われるからです。
そして、その美貌と気立ての良さに惹かれ、大国主大神は朝、眞玉著玉之邑姫神の元へと通ったそうです。
そう、眞玉著玉之邑姫神は神代出雲を代表する美しい姫神の一柱なのです。
……朝ってことはその前夜には他の姫神の元へとうにゃうにゃうにゃ……と、ついイジリ根性の高い私は由緒を読みながら思ってしまいますが、もしかしたら点々と居場所を変えねばならぬやんごとなき事情もあったのかもしれません。様々な想像を掻き立てるのも神代出雲の魅力の一つでしょう。
出雲で一番早く神迎祭をする朝山神社
さて、私の妄想は放っておいて、最初にお伝えしました通り、この朝山神社は出雲地方で一番早く全国より神々をお出迎えする神迎祭が行われます。
旧暦の10月1日、新暦の10月31日に行われる朝山神社神迎祭、大国主大神をも虜にしたとびっきりの笑顔で全国からお越しになる神々をお出迎えになられるんでしょう。
そんな全国の神々がお泊りになられる神様ホテルな朝山十九社。
ここで美麗の眞玉著玉之邑姫神にお持て成しをされ、全国の男神が鼻の下を伸ばすのが容易に想像できる……じゃない、長旅の疲れをこの朝山神社で癒し、そして旧暦10月10日(新暦11月9日)に稲佐の浜での神迎祭、そして神在祭の期間、様々なご縁を結ぶ話し合いがされるのでしょう。神々がほっと一息つける場所なのかもしれません。
勝手に脳内変換☆眞玉著玉之邑姫神
そんな眞玉著玉之邑姫神を擬人化するならこんな感じでしょう。
イメージとしては神代の女子アナ! マタパンという愛称などを、男神(特にオジサマ)が付けて呼んでいそう(笑)。
朝通った大国主大神は当然愛を語らった後は急いで帰ってしまいますから、たくさんの忘れ物をしたそうです。
その忘れ物をそっと胸に抱き、大切に取っておいたことから、朝山神社周辺には大国主大神の忘れ物が山となって今に残っています。それは二人の愛のメモリアル。
『美しさは優しく可愛いだけではないわ。女は強かさも必要なのよ。だって大切な殿方を疲れを癒し、労い、護らねばならないんですもの。
美しさは外見だけではない。外見だけでは安っぽくなる。
内面も同じくらい大切。いえ、外見以上に大切。
現代の女性も神代の姫に負けないくらい素敵な女性に成ってほしいわ。』
ひっそり佇む神社で、眞玉著玉之邑姫神は今日も美に磨きをかけているのでしょう。
その微笑み一つで神々を癒し出迎える、華の様な姫神にあやかりたいものですね。
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