錬金術から産み出された禁断のお酒 アブサン

主成分であるニガヨモギは、古来から不吉でありながら、神秘的なハーブと考えられてきました。『旧約聖書』で、楽園を追放された蛇が這った後に生えた植物ともいわれていますし、北欧では「死の象徴」とされていました。

【いくつものハーブでスピリチュアルな効果】

ちなみに、アブサンには、ニガヨモギ以外にも、「いくつかのハーブがブレンドされている」のが基本です。よく使われるのは「ヒソップ」。こちらは「聖なるハーブ」と呼ばれ、「魔除けや聖別に使われる」こともあるスピリチュアルなハーブです。薬草としては「滋養強壮や、消化促進、呼吸器系の病気などに効く」とされています。もう一つは「メリッサ」。レモンバームとも呼ばれるこのハーブは、「神経系のバランスを整え沈静させる力があり」、ストレスや不安を鎮めるだけでなく、「若返りや脳の活性化などの力もある」とされています。

ニガヨモギが持つ性質を元に、ヒソップとメリッサを加えるということをスピリチュアルな観点から見てみると、「自らの内面を浄め、精神を落ち着け、脳を活性化させ、生と死の持つ深遠へと迫ることの出来るレシピ」といえるかもしれません。そういう意味では、感受性の強い人が飲むことで、ドラッグ的な幻覚というよりも、「高次の自己からの啓示を受け取る」ことも充分に可能だったといえるでしょう。

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【実現が近い、純国産アブサン】

現在では、前述の通り、アブサンの生産は規制されていませんので、海外のものを手に入れることが可能になっています。また、今年の9月には京都で果物を使ったリキュールを販売している「フルーツリキュールフリークス」社が、クラウドファンディングで日本国内の素材で作った和風アブサンを作るための資金調達を実施し、目標額の「5倍以上」を得て、ニガヨモギではなく、「日本のヨモギを使った新しいアブサン」が開発されています。12月に入ってからは、開発途中のサンプルを出荷するなど、順調に進んでいるようなので、興味のある方はそちらもチェックしてみるといいかもしれません。

アブサンはスピリチュアルな効能もある、神秘的なお酒ですが、「アルコール度数が非常に高い」ために、お酒が苦手な方は興味を持ったとしても、飲むときには充分注意してください。また、お酒を飲める人でも過剰な摂取をせずに、アブサンドリップなどでゆっくりと楽しむことをオススメします。

Absinthe is a forbidden alcohol.
Spirituality that has been hidden in the absinthe.