海猫屋の「不思議なことなどなにもない!」いやいや癒してないですから PART.4(完結編)

レイキとの出会いでさらに癒しの世界へ……

レイキとの出会いは、当時通っていたハワイアンロミロミのサロンでした。
ある日のことです。ロミロミが終わり、ふと壁を見ると「レイキ講座、受講生募集」の貼り紙が目に止まりました。

「レイキって……なんなの?」施術を担当してくれたSさんに尋ねてみました。
「心身に癒しをもたらし、自己治癒力を高めるヒーリングエネルギーですよ」

ヒーリング……癒し……ひょっとしてこれは癒しを理解するチャンス?!

「私、その講座を受ける!!」

私の突然の意志表明に驚くSさんでしたが、すぐにレイキの先生と会えるよう連絡を取ってくれました。なにせレイキというものが一体なんなのかもわかっていないのに「受講する」などと言い出したので、Sさんも心配になったのでしょう。受講の前に一度先生と会って話しを聞いてみたら……といった親切な計らいでした。
そして指定された場所に行き、先生に会ってビックリ!そこには以前から顔見知りだったTさんがいました。

「え?Tさんってレイキの先生だったの?」
「誰が来るかと思ったら、海猫屋さんだったのか!?」

これも何かの縁だったのでしょう。
私はなんの迷いもなくレイキ講座を受けることを決めました。
講座はレイキの伝授だけではなく、ヒーリング、ホリスティック、コーチング、カウンセリングなどと内容も盛り沢山。ひとつひとつを丁寧に、また実践を交えたわかりやすい講座に、私は受験のときでさえここまで勉強したことはない!と断言できるほど、集中して学んだのでした。

レイキを学ぶことで、私ははじめて「癒しとはなにか?」を理解することができたのです。ここまであちらこちらに迷走してきたけれど、やっと私もスピリチュアルなるものに着地出来そうです。

「やっと落ち着くことができる……」

私は静かな安堵を感じていました。

そんなある日のことです。事件(?)は突然にやって来ました。
それは二人一組で2週間毎日遠隔ヒーリングを送り合い、メールで感想を交換する……といった宿題が出たときのことでした。以前から遠隔で部屋のなかが見えていたりしたのですが、レイキを使うとコンビを組んだ相手の体調や心理状態まで、ハッキリとわかります。

「目がゴロゴロしているね?」
「今日はコンタクトの調子が悪かったんで眼鏡をかけています」
「お腹が空いているの?」
「仕事が忙しくて、まだ晩ご飯を食べていません」
「イヤなことがあった?」
「ちょっと上司から厳しいことを言われちゃって……」

2週間後、これらのやり取りをそのままレポートとして発表しました。ふと気がつくと他の受講生は固まっています。なんだか不安げな表情にも見えます。
妙な空気に戸惑っていると、Tさん改めT先生がすかさずフォローしました。

「みなさんはそこまで出来なかったからって心配しなくてもいいんですよ。海猫屋さんは……サイキッカーだから!」

なんですとーーーーーっ??!!!

他のみなさんはT先生のサイキッカー発言に妙に納得しています。一番納得できていないのはこの私です。

「サ、サイキッカーって?私が???」
「え?嘘?自覚してなかったの?海猫屋さんって、ひょっとして……逆走してるの?」

自分もまた宇宙人だと知ってから2年。迷走しているとばかり思っていた私は、実は逆走していたことに気づかされたのでした。