松田有真の“もう一度訪れたい!”全国「感動の秘湯・名湯・温泉宿」PART.5 静岡県・観音温泉

奥下田の秘湯「観音温泉」

前回の記事でご紹介させて頂いた伊豆「大滝温泉」天城荘で大滝を目の前に大自然のなか、存分にお風呂を満喫した後、さらに足を延ばして、もう一軒、伊豆にある温泉を訪れました。それが、奥下田にある飲泉・自家源泉かけ流しの宿「観音温泉」です。

伊豆半島の豊かな自然に包まれた奥下田の地下600mから湧く、泉度51度、pH9.5の強アルカリ単純泉。
“伊豆半島の奥深く、奥下田の大自然に抱かれた秘境の湯”
“源泉掛け流しの一軒宿の美湯”
“ビロードの感触のする温泉”
「観音温泉」を形容するのにはこのような表現が最適なのではないかと思われます。

強アルカリの超軟水である観音温泉の泉質は、美肌効果抜群で”東洋一のアルカリ温泉”とも称される独特の肌触りをしています。

私がこの観音温泉を知ったのは2010年。翌年、移住することになった宮古島とのご縁をつくって下さり、その他にも様々なヒントを頂いたサイキックチャネラーのSさんとの何気ないお話からでした。

「伊豆に観音温泉っていう温泉があるのですがご存知ですか?」
「素晴らしい泉質の温泉なので、温泉がお好きなら是非、一度訪れてみたらいいですよ!」

その後初めて観音温泉を訪れた2010年冬の当時はまだ、庭内改装中。
館主自ら操縦されるブルドーザーが音を立てお庭で動いている様子が見受けられました。

ちょうどこの年の8月にこの宿の日帰り&貸切温泉施設「観音プリンシプル」が完成したばかり。

宿泊をする訳でもなくふらりと訪れた為、グッドタイミングで真新しい設備でお風呂を堪能することが出来ました。

宿の創業は、1963年(昭和38年)、創業者の小林運正(かずまさ)さんが奥下田の未開発の山林を手に入れたことに始まります。その後、夢枕に信仰していた観音様が現れ、この横川の地で「温泉掘削」のお告げを受けました。

昭和30年代当時、東京の四大タクシー会社と言われたタクシー会社を運営していた創業者の小林さんが、伊豆下田郊外の国道から4kmも奥に入った山林を買い取って開発を始めたときには、周囲は多いに驚いたそうです。
「ここに私財を注ぎ込むことは、自殺行為ですよ……」。そこまで言われた事もあったそうです。
いくら開発してきたとはいえ、この「観音温泉」は山の中。地震にあったり鉄砲水の被害にあったり、茫然自失の時もあったそうです。
来る日も来る日も掘削を試みついに1967年(昭和42年)に温泉が湧出。

温泉掘削中のある日、工事中地下五尺の土中より身長五寸の観音座像が出土。それが屋号「観音温泉」の由来となったそうです。

温泉発掘に際してこの様な神仏の「お告げ」のお話は多いですね!
この像は東京浅草の浅草寺に奉納されその身代わり観音として進呈された像は、玄関横の祠に祀られているそうです。

この「観音温泉」には自家源泉がなんと3本もあります。豊富な湯量に湯温も適温近い。婦人湯、殿方湯、客室も飲泉・自家源泉かけ流しで専用露天or展望露天風呂付き、さらに泉質も抜群!ということで多くのリピーターさんやプロレスラーのアントニオ猪木さんを始めとする各界著名人が訪れているそうです。

観音温泉に入るとまず驚くのがその場で肌がツルツルになる!ということ。
その理由は、温泉水のアルカリ成分によるもの。pH9.5の強アルカリ成分が肌の脂肪酸を分解する為であるそうです。
さらに、入浴だけでなく、このお湯は飲泉も出来、体調バランスを改善するとして評判です。

現代型の食生活では、肉類や脂分などの酸性食品に比べて野菜や海草などのアルカリ食が不足しがちで、身体が酸性に傾くと老化や生活習慣病等の原因にもなってしまいます。
毎日飲む水によって適度なアルカリ度のバランスを保つことはとても良いことで
とくに便秘など胃腸の調子が気になる方には飲泉効果が高いと考えられています。

私もこの温泉を訪れてから、すっかりこの泉質を気に入ってしまい暫くの間、この温泉水をお取り寄せして愛飲していた時期がありました。

この温泉のようにpH9.5以上のアルカリ性温泉でありながら超軟水というのは日本だけでなく、世界的にも珍しい泉質であるそうです。

閑静な環境と素晴らしい泉質に、訪れた方が虜になって再び訪れたり、周辺の人達に教えていった結果、クチコミで知名度が高くなっていった温泉です。今や「観音温泉」は一つの宿の屋号ではなく、地名にまでなっているそうです。

今度は宿泊でゆったりと……。
伊豆下田「観音温泉」はもう一度訪れたい!感動温泉の一つとなりました。