「していただいたことを覚えておく」テツandトモさんに聞く“より良い人間関係”

テツandトモさんインタビュー PART.3

師匠や先輩方から学んだ礼儀と挨拶の大切さ

──舞台の上たけではなく、芸能界で他の芸人さんたちと円満な関係を築くために、どのような気遣いをされていますか?

トモさん 師匠の方々は皆さん全然偉そうにしないし、本当に優しく気遣ってくださいます。
僕たちが吉本の舞台に出させてもらった時、呼んでいただいたわけだからこちらから挨拶に行かなくちゃいけないので、師匠方が入られるのを待っていたんです。そうしたら、西川きよし師匠のほうから、「今日は来てくれて、ありがとねー」ってわざわざいらしてくださって。宮川大助・花子師匠は、花子師匠が編み物好きだからと、赤と青のベストを編んでわざわざ送ってくださって、とても優しくしてくださっています。

俳優の宇梶剛士さんは、23年前、まだ僕らが20歳の頃に一緒にお芝居をさせていただいて、いつもご馳走してくださいました。お礼を言ったら、「いいから、今は食べなさい。他の人にご馳走できるようになったら、俺がご馳走した分を今度は後輩にご馳走してあげなさい」と仰ってくださったんです。それがすごく心に残っていますね。

テツさん 先輩方や周りの方からしていただいて嬉しいと思った瞬間は大事に覚えておくようにしています。そして、自分が嬉しいと思ったことを他の人にもするようにしようと意識的にしていますね。だから、師匠や先輩方はコミュニケーションについて教えてくださっているんだと思います。

立川談志師匠に叱られた!その本意を受け止める

トモさん デビュー当時、立川談志師匠の独演会のゲストに呼んでもらったことがあります。出番終わった後に次の高座が見たくて、袖にそのまま残って見ていたんです。そうしたら、「家元がお呼びです」と声をかけられて、談志師匠のところに急いで行ったら、「人の舞台に立って、なんで終わった後に挨拶にこねぇんだ! ふざけんじゃねぇ、馬鹿野郎!……っていうヤツがいるかもしれないから、以後気をつけなさい」と叱ってくださったんです。血の気が引きました。でも、今思えば確かにそうなんですよね。デビューして2~3年目は、それすらできていなかった。

──挨拶は誰にとっても、コミュニケーションの基礎中の基礎ですね。

トモさん 相手の機嫌が良かろうが悪かろうが、まずきちんと挨拶することですね。当たり前のことを当たり前にやれるかどうかというところから始まりますよね。

──叱ってくれたことをどう受け止めるかでも、その後の道が変わるのではないかと思います。

テツさん 大きく変わりますよね。

トモさん そう、同じ物事をどう捉えるかということですよね。叱ってくれたことをマイナスに受け止めるのではなく、ポジティブに捉えて活かしていくことも大切だと思います。

 

<プロフィール>
 
テツ and トモ
‘98年2月にコンビ結成。「なんでだろう~」が’03年新語流行語大賞、年間大賞受賞。同年、「第54回 NHK紅白歌合戦」に出場。現在、全国各地でお笑いと歌のステージを展開している。’14年2月発売のシングル「桜前線」で本格的に歌手活動をスタートさせた。
http://www.tetsu-tomo.com/

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Photo:Tomoya Suzuki
Text:Yuki Namiki