破壊的な感情は、免疫機能を低下させてしまう。ダライ・ラマ法王講演レポート

ダライ・ラマ法王 2013年 来日講演会レポート PART.6
ダライ・ラマ法王

怒りや不安、憎しみなどの感情は自分の健康も害してしまう

「しかし、私たちが大きな怒りの心や憎しみを自分の心のなかに維持していると、それがひいては自分の健康をも害してしまうことにもなってしまいます。

そこで最近の世の中では、たくさんの科学者たちがさまざまな追跡や調査、そして実験をされているわけです。つまり、怒りや不安そして憎しみなどを持続的に維持している場合、どのようなことが起きてしまうかといいますと、そういった悪い破壊的な感情は私たちが持っている免疫機能を低下させてしまうということが証明されているわけです」

思いやりや優しさがあると自信に満ち溢れた人間になれる

「そしてその逆に、自分の心のなかに他者に対する思いやりや優しさを持っている時、私たちは一人の自信に満ち溢れた人間になることができるのであり、そして内なる力、勇気などが高められていくことになります。そして自動的に怒りや憎しみや不安や心配といった感情が少しずつ少なくなっていくということが証明されているわけです。

たとえば、私たちが病気や苦痛のような肉体的なレベルにおける苦しみを抱えている時、もちろん薬を飲んだり、医療を受けたり、あるいは何らかのことをするということももちろん重要な要素にはなってくるわけですけれども、これらのことだけで心の平和を築くということはできません」

That is a sort of a system. If we feel too much fear, too much anger and hatred, actually it’s very bad for our health. That’s the view of a number of scientists. I think, last 50 years, they really have carried experiment and investigation. Therefore, when we are feeling constantly anger, hatred, that means eating our immune system.

On the other hand, when warm heartedness is there, self-confidence developed. And when self-confidence and inner strength developed, fears reduced. And of course anger also reduced.

So therefore even concern of physical health, it is not sufficient just paying attention to medication and some physical exercises. Of course these are also important but don’t cause peace of mind.

~PART.7に続く~

(2013年11月25日 東京ダライ・ラマ法王来日講演「日常の中で活かす仏教の智慧~ダライ・ラマ法王と語ろう~」より。※英文はダライ・ラマ法王がご講演で話された内容そのままを転載。)
取材協力:ダライ・ラマ日本代表部事務所 http://www.tibethouse.jp/

ダライ・ラマ法王14世(His Holiness the 14th Dalai Lama)
1935年チベット東北部にあるタクツェルという村落に生まれる。2歳の時、ダライ・ラマ13世の生まれ変わりと認められ、15歳で政治・宗教両面の国家最高指導者となる。1959年に亡命し、インドのダラムサラに亡命政権を樹立。チベット問題の平和的解決を訴え続け、1989年ノーベル平和賞受賞。2011年8月には政治的地位を主席大臣のロブサン・センゲ氏に委譲。78歳となった今もチベット人をはじめ世界の多くの人々の精神的指導者として活躍している。