人は皆、幸せな人生をまっとうする権利を持っている。ダライ・ラマ法王講演レポート

ダライ・ラマ法王 2013年 来日講演会レポート PART.2
ダライ・ラマ法王

自分だけが良ければ良いという考えが生まれてしまう理由

ですから、そのような二次的な違いばかりを強調するというような考え方を持っていると、「私たち」「彼ら」というように、私と自分以外の人たちとの間に大きなバリアをつくり出してしまうわけです。そしてそのような考え方のもとに自分だけが良ければ良いというような、自己中心的なものの考え方や態度が生じてくるわけです。
つまり、自分自身の一時的な目的を果たすということだけしか考えておらず、他者が何を考えているのかというようなことを一切考えに入れないというようなことになってしまい、ひいては他の人をいじめたり、虐待したり、騙したり、搾取したり、そして最悪の場合には殺し合いになったりというような非常に悪い状況に陥ってしまうわけです。

人間は、幸せな人生をまっとうする権利を持っている

しかし私たち人間たちは、基本的に考えてみますならば、一人の人間であり、幸せなこの人生を過ごしていきたいと願っていること、そして問題や苦しみは望んでいないということにおいてまったく同じ立場にあるわけです。
そして幸せな人生をまっとうすることのできる権利を持っているという意味においてもまったく同じです。

Therefore if we emphasis on secondary level of many differences, that creates concept of “we” and “they.” And that eventually creates self-centered attitude. That only concerns your own short-term interest, so neglect the rights of others, which leads to bullying, cheating, exploitation, violence and killing.

But basic level, we are same human beings. I want a happy life. You also want a happy life. I do not want a problem. You also do not want a problem. And we all have same fact to be achieving happy life.

~PART.3へ続く~

(2013年11月25日 東京ダライ・ラマ法王来日講演「日常の中で活かす仏教の智慧~ダライ・ラマ法王と語ろう~」より。※英文はダライ・ラマ法王がご講演で話された内容そのままを転載。)
取材協力:ダライ・ラマ日本代表部事務所 http://www.tibethouse.jp/

ダライ・ラマ法王14世(His Holiness the 14th Dalai Lama)
1935年チベット東北部にあるタクツェルという村落に生まれる。2歳の時、ダライ・ラマ13世の生まれ変わりと認められ、15歳で政治・宗教両面の国家最高指導者となる。1959年に亡命し、インドのダラムサラに亡命政権を樹立。チベット問題の平和的解決を訴え続け、1989年ノーベル平和賞受賞。2011年8月には政治的地位を主席大臣のロブサン・センゲ氏に委譲。78歳となった今もチベット人をはじめ世界の多くの人々の精神的指導者として活躍している。